2010年7月13日火曜日

【赤沢:7/13】海は複製のシーズン

赤沢
曇り時々晴れ、雨
気温29.3度
西南西の風4m
水温20~21度
透視度8~12m

割と細かい南のウネリがあり、超浅瀬はやや揺れる感じでした。

透視度8~12程ですが、浅場でも水色はとても良いので深い方へ行くとかなり綺麗だと、思います。今日は深い所へ行ってませんので想像ですが。
先週あたりより水色の良くなった分、水温の上昇は足止め状態といった感ありで表層21度。
陸上があまりにも蒸し暑いので、水温が上がらなくても気持ちよさは上がってきましたね。

それにしても今日の天気はなんて書いていいのかわかりません。
早朝は大雨、やんだかと思ったらザーっと雨、そして晴れ、と思ったら雨、また晴れ(くりかえし)
15時を過ぎたら晴れで気温は真夏日寸前。湿度満タンです。

こんな日の正式な天気の表現ではなんというのでしょう、知りたいです。



さて、今日気になったのはこれ


ほんの3センチほどのものなんですが、結構ドキッとするんですよね。「あっ、指が落ちてる!?」みたいな・・・
小指みたいでしょ。

色だって人の肌をしている訳ではないですし、ヒトデの腕だとわかっているんですけど、それでもなんだか異彩を放っているのです。




これは「チャマダラホウキボシ」の腕。だけ(切り口側から)。

チャマダラホウキボシというヒトデは腕の一本が“自分で”本体から切り離れ、その一本の切り口からメキメキと本体が生えてきて、やがて立派な本体に再生するというSF映画のエイリアンのようなヒトデです。




こちら完品のチャマダラホウキボシ。


ヒトデの仲間では自分で自分を切り裂いて、それぞれが再生して完品になるという分裂技をもった奴はいます。
良く見られるのはヤツデヒトデで、こちらは真中から真っ二つに分かれて半分が再生してきます。
妙に半分だけ小さい足のヤツデヒトデは分裂した後再生中のもの。ダイビング中の浅瀬の岩礁で結構見る事かできます。


ヒトデはどんな種類でも分裂して再生するのかと言うとそうでもなく、「盤」という真中の体の部分が残っていないと再生は難しく、さらには「肛門」や「多孔板」など、一つしかない大事な器官がないと再生できない場合が多いのだそうです。

ヤツデヒトデの場合は盤の真中から真っ二つになるので盤がそれぞれに残っている上に、肛門や多孔板も複数あって、最初から分裂して2つになろうという目論見な構造になっているから分裂したそれぞれが再生するのですね。


「腕がちぎれたら腕が再生する、というのは簡単だけど、その逆は難しい」というのが普通のヒトデ。再生が得意な棘皮動物でも全部が完璧という訳ではないのです。



しかーし

このチャマダラホウキボシは別なんですね
本体から自切した、盤も肛門も多孔板もない腕だけでも立派に生きてます。



ちゃんと管足も動いて歩いてるんですよ。

この後、肛門も多孔板も盤ごと再生し、他の腕も生えて“完品”に戻るのです。
自分の腕がもげて自分になって、さらにその腕も自分になって、“自分”がいっぱいです。誰がコピーかオリジナルかの問題になっちゃいますね
そういう映画見たなぁ。
ルパンのマモーかな?


この特異なヒトデは世界で6種類だけ。
世界にヒトデ多しといえども、腕一本から再生するのはごくごく一部なんです!
こんな貴重な生物に伊豆の海で会えるんですよ、これは凄いでしょう?


でもこの分裂再生のお話を海の中で説明するの大変ですねぇ
水中お絵かき先生は、いつも割と長文なのではありますが、これは長くなります・・・
海の中で話せるようにもしておこうかなぁと思いつつ、、、どうなんでしょうね。

ヤツデヒトデもチャマダラホウキボシも、水温が上がるこれからが分裂シーズンです。
ヤツデヒトデは半分づつが反対方向へと歩き出すようにして切れてゆくのだそうで、チャマダラホウキボシは“腕”自身が本体から切り離れようとして、外へ外へと向かって引っ張って歩くらしいです
出会ったことないですねぇ・・・ あー分裂してる最中が見たいっ!!





(割と棘皮好きです・・・)

0 件のコメント:

コメントを投稿