2011年5月28日土曜日

【5/27:赤沢】 似すぎた二人





アクアティック・プロの玄関に陣取ったツバメ。

ツバメは大概の場合5つの卵を産卵する。わが家のツバメも5つの卵があったのは確認できた。小さいながらも綺麗に並んだ5つの卵だった。


おかしいなと思ったのは、巣に帰って来るツバメが3羽だったこと。巣の前で争うように鳴いて飛ぶ場面もあった。

どうも、他の雄が雌と巣を丸ごと奪い取ろうとしているみたいだ。


雌と巣を同時に奪う最もいい方法は…今ある卵を全て蹴落とし、雌の子育てをリセットすること。

育てる子供がいなくなった雌は、また卵を産む体制に戻って雄とペアになろうとする。

野生の世界で子孫を残すのは大変なことなのだな。

…と思っていたら、2個の卵が巣から落とされていた。


ヤバイ、これは全部落とされてしまうのか?と思ったけど、お父さんツバメは残り3個を守り抜き、うち2個が孵化した。お世辞にもカワイイとは言いにくい、毛も生えてないピヨピヨが誕生した。


あと1個は無事に孵化するだろうか?とヤキモキしていたが、今日はその1個が落ちていた。

落ちた卵の中身はほとんどヒナになった状態だった。ちょっと可哀想だが仕方がない。これも自然だ。


最近は横入りの雄ツバメの姿は見ていなかったので、もう孵化しないと判断した親ツバメが巣から排除したのかもしれない。


台風が近づいて風が強く、肌寒くなってきた。この2羽は無事に乗り切れるだろうか。





5月27日
赤沢
曇り時々雨
気温17.7度
北北東の風2m
水温18度


透視度10m前後






先週末に18度まで上昇した水温は、一旦16度に戻り、そしてまた18度に再上昇。透視度も10m前後と良くなっている。



ひと荒れしたらどうなるかわからないけど…





久しぶりに見た「オオウミシダトウマキクリムシ」

「オオウミシダ」というウミシダの根元にひっそりと棲んでいる巻貝だ。

コンパクトカメラで撮ったので、後から処理してはいるけれど、青と紫の中間のような色に、鮮烈な黄色い筋模様が入る、実際の見た目に近づけた。これはリアルのカラーだ。


こんな色の貝殻が落ちていたら、是非ともコレクションにしたいところだけど、オオウミシダトウマキクリムシの貝自体はこの模様では無く、ただの薄い半透明な白だ。

この色は、中の体のデザインが透けて見えてるということだ。

スケスケのボディーが恥ずかしいのか、普段はウミシダの中の方に隠れていて外からは見えづらい。

ちなみに「ウミシダの根元」なんて書いたけど、ウミのシダと言う割には植物ではなく動物なので根は無い。根元と言うより脇の下か…





画像の真中はこれまた巻貝が歩いている。

20センチを超えようかという、でっかいボウシュウボラだ。貝には付着物が沢山付いていて貫録たっぷり。どこにも隠れてない。






「貝に目がある」というと意外に思う人が多いかもしれないけど、このボウシュウボラにも目がある。色合いからして「目」がはっきりとわかりやすい。

人間みたいにカラーで立体で。等と言う風に見えている訳ではなく、ごく原始的に光や影を捉えているのだとは思うけど。いやいや、なんだかすっごく見られている様な気がして恥ずかしくなる…


サザエやアワビにも目があるので、魚屋で並んでたら見てみて。向こうも見てるよ。







一生懸命石の裏に隠れようとしているんだけど、隙間に入れなくてプリプリしている魚がいた。

全長は5センチほど。プックリとしたお腹の出具合は子供の様に見える。








下顎の真中からヒゲが出てる。タラっぽいね。






こちらはすぐ近くにいた別の個体。少し大きくて10センチ程度かな?ヒレの縁がオレンジで綺麗だ。
一見「イタチウオ」のようだけど、そんなにヒゲも多くないし、背びれと尾鰭がくっ付いてないのでイタチウオじゃぁ無い。という、あれだ、ほら…


あまり見かけない魚だから名前が出てこない。随分前に見た事がある気がする。


こいつ、普通に図鑑で調べると「エゾイソアイナメ」という名前の魚。ちゃんと伊豆の魚類図鑑に写真も載ってる。

でも、少し大きな図鑑で調べると、隣に良く似たのがいる。「チゴダラ」という魚。


エゾイソアイナメはダイバーが潜るような浅い水深に棲んでいて、チゴダラは150~800m以上という深い所に棲んでいる。ということになってるんだけど、「実は同じ種類じゃないのかい?」いう論争になってエゾイソアイナメが消えそうになったんだけど、「やっぱ別の種類だよ」。ってんで、今の所2種になっているというお二人。


簡易的に目の大きさが鼻先の長さの2/3以上あればチゴダラかも。という話も出てくるけど、子供のうちは目が大きいからね、よく分からない。


デカイ図鑑には鰭の骨の数が何本か、とか書いてあるのだけど、チゴダラ周辺の仲間の背鰭や尻鰭の数は60~71本。などと「~」が付いてる。エゾイソアイナメの尻鰭だけが「63本」。とキッパリと書いてあったので数えてみた。






クローズアップして、いちにーさんしー。って数えたらとりあえず63本は超える。
ま、うちの図鑑も古いからな、そういう最新生物情報にはついていけてないしね…




そうそう、食べると美味しいらしい。チゴダラでもエゾイソアイナメでも、いわゆる「ドンコ」として食されてる種類なんだね。肝が絶品なんだそうだ。
ということで、こいつは「ドンコ」でいいんじゃないかな?


2011年5月23日月曜日

【5/21:赤沢】 黄金の標的を狙え!




歩いて30歩ほどの目の前の海はちょっとした崖になっている。富戸港のちょうど反対側で南を向いてる、南向きの入り江だ。
朝覗いたらとても穏やかだったので、こりゃどこも穏やかだろうと思ったのだけど、赤沢では小刻みな波長の変な波があった。

まったく。海は行って見ないとわからないね。






5月21日

赤沢

晴れ

気温28.4度

西南西の風5m

水温18度

透視度3~5m


気温は夏日を超えて絶好調。そして水温は18度。16度台からジャンプアップだ。

天気も最高!気温も上昇!!。「おおっ!やっと夏が見えてきたのか」という最高のコンディション。

でも透視度は3~5mってところだけど、まぁこれで10m以上見えたら誰かに呪われそうだよな。








ワカメはそろそろボロくなってきているけどまだ生えている。


ワカメのメカブの中に「スナビクニン」というオタマジャクシを少し長くしたような魚が棲んでいて、ダイバーにはとても人気だ。


スナビクニンは大きくても2センチくらい、小さいと、まぁ1センチがくるっと丸まって7ミリ程度の丸みたいなもんで、それがまたメカブのシワシワの奥に棲んでるってんだから慣れないと捜すのは大変な魚。


穏やかならば、「よっしゃ捜してみるか!」とサクサクとメカブのシワを片っ端から覗いて行くのだけど、揺れてると時間がかかるし、お客様も波に酔ってしまったりするのであまり捜さない。

今日は見つける気合いなしで捜した2つ目のメカブで見つけてしまった。「気合いが入りすぎると出会えない(または逆)」の法則まっしぐらだ。


鮮やかなピンク色をした1センチほどの可愛いスナビクニンだった。


お客様とフォーメーションを組んで写真を撮を撮ったには撮ったはずなんだけど…



目には焼き付けた。







なんと、海中に藁人形が漂ってて…

なーんて訳はない。これは海藻。かわいいでしょ。

会いたい人は言ってね。

言わないと会えないよ。



と、海藻で遊んでたら、突然肩をたたく人がいる。

海の中で普通は肩を叩かれない。

「えっ、誰だよ!」って振り返ったら、ガイド仲間が「来いっ!」って気合い十分な目をして合図してた。


ほほう、これは何かよっぽど面白い生物が出たのかな?と思ってついて行くと、マトウダイの子供が漂ってた。




3月26日に僕が発見してから、他のガイド仲間は見てるのに何故か僕だけずーっと会えてなかったマトウダイの子供。それを知ってて仲間が教えに来てくれたのだ。


言葉は話せない水中だけど、通じるのだな(笑)



2か月前の個体は3センチくらいしかなかったけど、こいつは8センチほど。このサイズだとヒレが立派に見えるね。ライトアップすると、金色に見えるんだ。綺麗だよ。






マトウダイってほんとに的みたいな模様があるけど、漢字で書くと「的鯛」というのと、「馬頭鯛」というのがある。的鯛の方は模様が的みたいだからだけど、馬頭ってのは口の事をいうらしい。


実はマトウダイの口はものすごくデカイ。


普通は顎の付け根を軸にしてパクパクと開閉する口を考えそうだけど、魚の世界は人間の普通が普通に通じない。










マトウダイが口を全開にするとこんな感じ。


普段の口は、実は綺麗に折りたたまれているのだ。いざ、餌を食らおうとする瞬間、この筒の様な口が目にも止まらぬ速さで突き出る。


「どうせ射程距離じゃないだろう」と思って余裕で泳いでた魚は、突然“スッボーン”と伸びてきた口に喰われる、というより吸い込まれてしまうのだろう。まさに必殺の飛び道具だ。

突き出た長い口を見ると「馬の頭」と呼ばれてもおかしくはない。




体の的模様は生物学的には的じゃぁないとは思うけど、ホントのところは。「おい、あいつ、体に的の模様入れてるぜ、狙ってくださいって言ってるようなもんだなぁ」。などとバカを装っておいて、実は必殺の武器を持っているという上等なカムフラージュだ。と、思えなくもない。


海の生物に人間の普通は通じない。

2011年5月20日金曜日

【5/18:赤沢】 海中で財布を拾った。






水温はごく微妙に上がりつつあり16度。透視度は5m前後。


今日は深い所には行っていないので、綺麗な水がまだあるのかどうかは、わからない。


浅瀬で出会いを捜す。










5月18日


赤沢


晴れ


気温21.5度


北北東の風2m


水温15~16度


透視度5m前後




岩陰の奥にある白っぽい物が、視界の隅を通り過ぎる。


なんか光沢があったような雰囲気がして、脳内の怪しい物センサーが作動した。センサーの反応には従わないといけない、やや通り過ぎたけど、もう一度覗きこむ。











ほほう、ビンゴ。これはナヌカザメの卵だ。


僕の怪しい物センサーは正常に作動しているようだ。


                              (2011年2月:ナヌカザメ)


サメの卵はとっても特徴的だ。

まず、卵ひとつが非常に大きい。
一粒が1ミリにも満たないのなんて普通。という魚類の世界で、一粒が10センチを超えるドデカイ卵を産むのだから、まさにケタ違いだ。



孵化するまでにかかる日数もケタ違い。


産みつけられてから数か月、1年近くも卵のままで過ごしてから孵化するというのだから驚きだ。人間は十月十日というけど、同じレベルでじっと卵の中で過ごす。



そして形が摩訶不思議。


卵といえば丸。という概念は見事になく。まるで生物の卵とは思えないなデザインをしている。
















おもちゃのドリルとしか思えないこいつはネコザメの卵。この中で1匹のネコザメが育つ。


実際に海の中で、これを「ネコザメの卵なんだよ」と教えても、信じない人が2割ほどいるくらいだ。



産みたてはもっと深緑色をしていて、綺麗なドリルをしているのだけど、こいつは10ヶ月間も海の中にいてネコザメが孵化した後のものだからさすがにボロボロだ。海の中で10カ月と言うのは、象像以上に厳しい。



このドリル卵。割と浅瀬の岩礁地帯で見つかる事が多い。




大概の場合、先端を下にして岩と岩の隙間に挟まった状態で見つかるのだけど、ただ引っ張っても抜けるもんじゃない。そう、このドリルは簡単に抜けない為の仕組みらしい。



人間なら左回転させて…と、考えて抜く事ができるけど、自然の状態ではまず抜ける事は無いだろう。逆に、波に揺られてるうちに、どんどん固定されてゆく。



以前のブログで、「フナクイムシの生活がトンネルのシールド工法の元になった」って書いたけど、ドリルという道具のアイデアも生物に先を越されていたのかもしれない。












見つけたナヌカザメの卵はどこにも固定されておらず、ただ岩の隙間に落ちていただけだった。






それにしても綺麗な卵だ。産んでからそう何日も経ってないだろう。


セルロイドの様な硬ようで繊細な柔らかさのある感触と、怪しく滑らかな曲線は、とても魚の卵とは思えない。芸術作品だ。



昔の人はこれを、「人魚の財布」と言ったそうだ。



成長したナヌカザメは殻を破って孵化するのではなく、写真の左上の部分が開いて出口になるので、そこから海へと旅立ってゆく。



サメのいなくなった卵は、破られずに入れ物のまま残るので、そういうのが浜に打ち上げられたりしたんだろう。これを海辺で見つけて「人魚の財布だ」なんて、なかなかロマンのある言い方だ。










卵の上下には植物のツルのような物が4本出ていて。生み出されるとクルクルとソフトコーラルに絡まって固定されるようになってる。ツルはとても丈夫で、簡単には外れない。



この卵のツルは先端の細い所まで切れずに残っているので、最初から何にも絡めなかったのだろう。





中の卵はどうなってるのだろうかと思って、太陽に透かして見てみたけど、卵黄が確認出来ない。


それよりも、中から白い粉の様な物が出て来てモウモウとしてきた。






これは。死んで腐った中身だ。





この卵はもう生きてない…













卵黄に近い部分に亀裂があり、そこから中身が出て来ている。死因もこの亀裂だろう。


生きた中身があるのであれば、深い所に持って行って紐か何かで再固定してあげたんだけどな。そうすれば1年近くナヌカザメの成長を皆で楽しめたのに…



考えてみれば、こんなに綺麗でいて中身の入っていない財布なんて、そうそう落ちてるもんじゃない。


こりやぁ人魚が「持って帰れ」って言ってるんじゃないかな。







そうだな、折角だから大事に持って帰ることにしよう。


僕にとってはお金より価値がある財布だ。


2011年5月19日木曜日

【5/17:赤沢】 簡単には巡れない「海の七福神」




2層の水になってる。
水深20~25mより浅いと、水温は15~16度、所によって17度とやや上昇傾向で透視度が5m前後。深い方は、余裕の透視度20m超え。水温は長居ををしていないので正確に計れてはいないけど、多分13度、くらいじゃないかな。

2層になるのは別に珍しい事ではなく、表層の水温が24度というような季節でも、下層は16度ということもある。

大概の場合、表層より下層のほうが冷たくて綺麗だ。






5月17日
赤沢
晴れ
気温20.3度
南南東の風3m
水温15~16度(浅場)/13度(深場)
透視度5m前後(浅場)/20m(深場)








少々濁った表層から、スッパーン!と綺麗な水に突入すると素晴らしく気持ちいい!


紅の豚が雲から出てくる時はこんな感じなんだろうなと思うほど最高だ。冷たさも吹き飛ぶ。というか冷たさが身にしみるまで居られる水深じゃないしね、爽快感を味わうにはちょうどいいくらいだ。



写真は水深30mほど。


岩一面のソフトコーラルが見渡せる。爽快だ。






ピョーんと一本飛びだしたようになっているのはムチカラマツという生物。カラマツ、だなんて名前だけど植物ではない。プランクトンを食べるポリプが集まっている動物、いわゆる“ソフトコーラル”だ。

このムチカラマツに取り付くようにして棲んでいるのが「ビシャモンエビ」だ。
2センチあるかないかの小さな体な上に、形も色もムチカラマツに似ているので慣れないと見つけにくい。






ビシャモンエビの名前の由来を調べたら、頭の上の尖んがりが七福神の毘沙門天が兜を被っている姿に似ているからだという話があった。


確かに、目の間の尖がった角は兜の様に見えない事もない。

がしかしまぁ、神様の名前を付けてもらうとは、なんともラッキーなエビだ。


他に神様の名前を貰った生物はいるだろうかと思って、七福神の残り6人を捜してみた。

これを見て巡れれば、海の中の七福神巡りになる。という壮大なさっき思いつき。






布袋様は「ホテイウオ」で決まりだろうな。見るからにふくよかな布袋様だ。


北海道や東北など、冷たい海にいる魚だ。普段は数百メートルの深い海にいるらしいけど、冬になると産卵のために、ほんの数メートルの浅瀬にやってくる。


北の海の魚で、さらに冬だから、なかなか気軽に会いに行ける物ではないけれど、見られない魚では無い。

僕は以前、知床と青森で見た。いや、御参りした。






恵比寿様の「エビス」が付いた生物は結構いるのだけど、なるべく気軽に御参りできるような生物を選ばないとまずい。


なので「エビスガイ」。


本州のかなり浅い岩礁には大概いるということなのだけど。いやぁ、見てるのだろうけど気にしてなかったなぁ…



明日はちゃんと御参りしなおさなくちゃ。




寿老人は「コトブキ」とさせて頂いて、「コトブキテッポウエビ」。

赤と白で見事な寿っぷりだ。


砂地に穴を掘って棲みかにするエビなのだけど、巣穴はハゼの隠れ家にも利用されていて、共生関係として有名だ。

ダイバーにも人気があって、メジャーな生物なのだけど、残念ながら僕は見た事がない。


一回出現すれば固定する生物なので、情報を聞いて御参りに行く事は十分に可能だね、海の七福神としてはバッチリだ。






さて、だんだん苦しくなってくる。


弁財天は弁天様ということで「ベンテン」。であえてレアなウニにしてみた。

その名も「ベンテンウニ」。

こちらも赤白の棘でめでたい上に、棘が上に向いて反っているという芸術的な雰囲気。弁天様だ。


棲む水深は70m~300m超えと、御参りに行ったら本当にあの世に行ける深さなんだけど、どうも20mあたりの浅い海にもいる事があるらしい。西伊豆での目撃例もあった。

これに御参りできたらすごいね、海の七福神巡りのレベルが上がる。







福禄寿。これが厳しい…

フクロクなんとかっていう生物の名前がなーいのだ。


フクロ、と付く生物はとても多いので、フクロクラゲとかフクロクモヒトデとか、語呂的にうまくいかないもんかと捜してみたのだけど、見つからないっす。

なので、「フクロノリ」

春の浅瀬にはいっぱい生えてます。御参りし放題。

ベンテンウニでレベルを上げちゃった分、ここで下げよう。





最後は意外と一番厳しいのか?の大黒様。

ダイコク、と名前の付く生物なんて沢山いそうだけど、これがまた、いるんだけど…


貝でいくつかあったのだけど、カナダに生息してたり、水深が700mだったりしてNG。

さすがに七福神巡りで海外に行ったら怒られる。

ということで、「ダイコクタマエガイ」というシックな二枚貝。

でもね、生息域がオホーツク以北~北極海の水深10~150mの砂泥。とな。


厳しいかなとも思ったんだけど、根室にもいるらしいし。御参り不可能ではない、かな…




あー、なんかすっごい図鑑の索引を見たな。

絵も5枚も描いちゃったし。思い付きのネタの割には時間かかったなぁ…






2011年5月17日火曜日

幻のピザバス、池の田んぼ






あるとき、「ピザバス」という看板に気付いた。


奥の空き地を見ると、派手に塗られたバスがあって、どうもピザ屋になっているようだ。

「へー、バスがお店なんだね、お店建てるより安上がりだからかな?」なんて言ってたのだけど。次の日に行ったら、看板だけで残してバスが無かった。



「あれ?もう潰れちゃったのかな?。いや待てよ、もしかしてあのバスは本当に動くってことか…?」

バスのいない空き地に呆然と立ち尽くす…









まさか本当に動くピザバスだとは思わなかった。


その後、「あ、ピザバスいる!」と思った時はご飯を食べた後だったり、食べようかなと思うといなかったりが続く。食べてみたいな、とは思うのだけど、看板にいつ来るのかは書いてない。


そんなこんなで、ピザバスを発見してから随分と時間がたったけど、とうとう乗車する事ができた!








本当だ、ちゃんと運転席があるよ。当たり前か…


子供の頃はこの運転席に憧れたよなぁ。ちょっと座らせてもらえばよかったな。









後部座席が残してあって、車中で食べることもできる。

窓からの風景はまるでバス。いや、バスだから当たり前なんだけどさ、動いてないのが不思議な感じだ。











非常の時のハンドルも残ってる。

ピザ屋さんになったら「非常の場合」ってどんな状態なんだろう?

すっごく美味しかったら回しちゃっていいのかな(笑)


そうだ、この中がどうなってるのか知りたかったんだ。こんど行ったらカバー外してみてもいいか聞いてみよう。






半分、というか半分超えが厨房になっているバス。奥には石窯が設置してある。石窯ピザなのだ。

こりゃバスじゃなきゃ載らない。










そろそろ僕らが頼んだピザも出来あがるね。

今日は天気がいいから、外のテーブル席で食べよう。



薄い生地でマルゲリータ。





ふっくら生地で旬の野菜ピザ。


青空の下で食べるとなんとも気持ちいい。また来よう。

ピザバスがいつ来るのか分かると便利だなとは思うけど、「今日はいるかなぁ…?」って見るのも面白いから、予定は聞かないでおこうかな。

「運よく乗れたら食べられるピザ」。の方が楽しい。







お腹もいっぱいになったので、池にお散歩に行った。


「池」と言っても水がたまってる本当の池じゃなくて、地名で池。「静岡県伊東市池」。のこと。


海沿いの国道から、ほんの2、3分山側に行っただけなのに、随分と山里のような雰囲気のある場所だ。山に囲まれた田園の真中に流れる沢では魚が産卵する様子も見られる、カワセミも飛んでくる。田んぼにはオタマジャクシがいっぱいだ。


「まんが日本昔話」みたいなところで、「池の里」って呼ばれてる。


地下水が汲めるようになっているので、美味しい水を汲みに来る人がぽつぽつといるか、農作業の人が数人くらいしか見かけない池の里だけど、今日はなんだか人が多い。






なんだなんだ?何事だ?。と思っていると、向こうから泥んこの子供たちがやって来る。
次々と、泥んこがやって来る。
いやいや、何事だべ?







みんな水着にゴーグルで全身泥だらけ。

聞くと、地元の池小学校の生徒達が田植えの前の「代かき」を体験したのだそうだ。


代かきは田んぼの土を起こす作業なんだけど、子供達は体でめいっぱい代かきしたみたいだ。


「いやぁ、なんとも楽しそうだなぁ、大人もいいって言われたら参加したかも」、とは思ったのだけど、みんな寒そうだ。中には泣いてる子もいたね(笑) まぁそりゃね、田んぼの水は暖かくはないわな・・・


それにしても、なんとも和やかなシーンだった。






子供達が代かきした田んぼの持ち主と思われる、この方。あぜ道を歩く時は若い人に手を引かれていて、遠くで見てても「かなりおじいちゃんなんだろうなぁ」。んて思ってたんだけど、いざ代かきマシーンが動き出したら見事に普通に歩きだしたの。さすがだねぇ、こういうのが田んぼのプロフェッショナルって言うんだな。
僕も「あの爺さん、海の中では速ぇんだよ」。なんて言われるようになるうだろうか。





田植えの始まった池の里。

どんどん稲の緑が広がって、夏には眩しいくらいの緑一色になるだろうな。

ここに来て、風景の移り変わりを見るのがすごく楽しい。


こういう風景は、「行ったら無かった」。なんてことになって欲しくないな。