2014年7月21日月曜日

海の日2014




2014年の海の日連休、お天気は初日雷雨、中日快晴、最終日晴れ時々曇り時々雨。なんでもありな空模様だった。
海は3日間とも穏やかで素晴らしいコンディション。海の状況にやきもきする様な事は一切なく贅沢なほどだった。
1日目は富戸、2日目は赤沢、3日目は八幡野と潜ってみた。
どのポイントも表層の水温は23度台で20m超えると17度、もっと低かったりする。透視度は10~20m。もちろん冷たいところはずば抜けて綺麗だ。



動画は1日目の富戸で出会ったオニオコゼ2匹。
1匹がもう1匹の前に回り込み、まるでガンを飛ばす様に睨みつける。相手は無視して避けてゆく。
という行動を延々と繰り返していた。
ほんと顔の正面に回り込むの。これ何の行動なんだろう?調べてみたけど今の所不明。
♂♀には見えなかったけど、縄張り争いってあるんだろうか?



2日目の赤沢では砂地のサカタザメをじっくり観察。と思ったらいくら近寄っても逃げる気配なし。
どうもおかしいなと思っていると、ゆっくり泳ぎ出したサカタザメには釣り糸と錘が繋がってた。
錘を引きずりながら生活してたもんで、元気がなかったようだ。
 
そのまま無視するのもかわいそうなので、思い切って押さえつけて裏返すと、やっぱり口の中へと釣り糸が繋がってる。
中の針は見えなかったので、仕方なく口元で釣糸をカットし、放してやった。
針が錆て無くなったら元に戻るんだろうか?元気になることを願うのみ。
 
ゲストには「サカタザメはエラが体の下にあるんで実はエイなの」って書いて見せていたので、救助のついでに下側を見せる事ができたので丁度良かったかな。
 
観察を続けているネコザメの卵は、とうとう中の稚ネコザメが動くのを確認。
ライトを照らして中の様子を凝視すると、黄身の上にちょこんと乗った2センチ程度の物体がクネクネと泳いでいるのを見る事が出来た。
 ちゃんと生きてる!良かった良かった。
 
 
 
そうしたら3日目の八幡野ではネコザメのベビーに遭遇。
20センチほどの手乗りサイズで、これまたカワイイ。
 

アジ根の上ではキンギョハナダイの吹雪。


吹雪すぎてダイバーが写らない・・・
多けりゃいいってもんでもない。

 
思ったより少ないけどダイバーは見える。
群れとダイバーって意外と難しい。
 
 

2014年7月13日日曜日

FLOWER URCHIN



 
2014年7月13日 伊豆半島富戸
水温21度’(表層)透視度8m(表層)

台風8号の影響は少なかった富戸。海の中も激的に変わった!ということはなかったようだ。
表層の水温は21度前後。水深15mほどまで潜ると17度前後がお出ましになる。深い方が冷たくて綺麗!というのは夏にはよくあることで珍しくはないのだけど、境目がちょっと浅いなぁ。
そのぶん、表層の賑やか度が凝縮されているような気はする。
元気な体験ダイビングで富戸ホールに探検した後はファンダイビングでちょっと下の方へ。 

何気なくラッパウニを紹介。ラッパウニは尖がった棘をもたないちょっと変わったウニだ。英語だとFlower urchin。花のウニとでも言うんだろうか。表面の花びらみたいに見えるのが傘のように変化している棘。刺さると言うより閉じて咥えこむ、という感じ。
痛くはないのだけど、毒があるらしい。
手でさわっても何かがおかしくなるということは無いのだけど、どう調べても毒はあるらしい。

で、変なウニでしょ?ってゲストと見ていたら、かすかに一瞬モワッっとなったように見えた。
「はっ、もしかして放精か?」と自分の目を疑いながら見てたらもう一回かすかにモワッ。
あ、これは動画撮らなきゃかもなー、なんて思ってるうちにみるみると白煙が上がって来てまるで火事のようだった。

運よくいいタイミングで見られたけど、これを見ようと思って挑むのは大変だろうな・・・

 富戸はラッパウニが少ないので、周りのラッパウニと同調しているのかどうかは確認出来なかった。ダイバーでさえも見えない様な遠く離れた仲間と同調するんだろうか?




2014年7月6日日曜日

ナマコライダー




 
 
2014年7月6日 伊豆半島赤沢
水温22~23度 透視度10~15m

今日は少し青い感じの海だった。
ベラのグループ産卵が見たいぁ。というリクエストで平島沖へ行ってみた。
予告して自信満々でお連れするのだけど、自然のことだから絶対と言う事は無い。潜って本当にベラ達が産卵してるのかどうか、ガイドとしては結構ドキドキもんである。...

今日は良かった。ホンベラ達が千、2千という単位で集まり、グループ産卵しまくりだった。
一昨日は同じ岩にニシキベラも沢山いたのだけど、なぜか今日はホンベラのみ。なんでだろう?
あんまり同じ所で2種類が産卵しまくるとハイブリッドが出来ちゃうんじゃねぇ?ってことでニシキベラは場所替えしたんだろうか?
ここじゃないとすると赤窪ジオサイトの中の先先端あたりで集まってる様な気がする。

とまぁ色々と追跡したい事柄は沢山あるのだけど、台風8号は気になるところだ。
現状は問題なし、多分明日もこのままだろう。予報では水曜日から金曜日が厳しそうだけど、その後の回復具合も心配だ。
週末のご予約頂いている方には水曜日位から海の近況報告と予想メールしますね。

映像は今日のホンベラのグループ産卵をちょこっとだけ。
急上昇した後、弾けるように散る時に放卵放精しています。煙の様にホワっと白くなるのがそれ。この映像では2回か3回しているかな。
 
 

こちらは昨日潜った八幡野の写真。
トラフナマコに乗っているコウイカ系。何が気に入っているのか、乗ったまま動こうとしなかった。題して「ナマコライダー」
操縦しているように見えなくもない、でしょ?
ちょっと遅すぎるマシーンだけどね(笑)



フタイロニシキウミウシ。
小さい。
まるで樹脂で作った様に爽やかな質感だ。

 
ミアミラウミウシ。
なんて繊細なグラデーションなんだろう!
自然がデザインしたとは思えない。ほんと感心する。
ライトを照らしているのでこの色合いが出るのだけど、ライトがないと赤みは無くなり、結構岩と同化する。
海の中の生物がライトを持っているはずも無く、本人は派手だとは思っていないのだと思う。
 
 
 
 

2014年7月4日金曜日

生まれ際、死に際。


 

2014年7月4日 伊豆半島赤沢
水温22~23度(表層) 透視度10m前後(表層)

もはや用が無ければ深い方へは行かない。冷たいから、というより浅瀬が忙しいから。
下の方が冷たいからだろう、上の方が賑やか過ぎて困る。
...
今日は台風が出来たそうだ。
来週の水曜日当たりに関東東海近辺を舐めてかかるらしい。
赤沢あたりの砂地には荒れ模様が少なかったせいか、なんか苔むしっぽい。8号で一気に海をかき混ぜて「さぁ夏ですよ!」と、なればいいなと思う反面、仕事上は困る。
ま、そういうのは慣れてるけどさ、天気図は見なかった事にして、持ちこたえそうな週末を楽しもう!

今日の動画は赤沢のボートポイント「平島沖」のニシキベラとかカミナリベラのグループ産卵。
前に撮ったときは、なんだかなぁ~っていうぼんやりしたグル―産卵だったけど、今日は猛烈だった。
あっちでドッカン!隣でパーン!うりゃぁ、産むぜ、繁殖だぜっ!って声が聞こえそうなくらいの産卵祭りだった。

上の方でメジナが卵をパクパク食べに来たりするんだけど、そんなのお構いなし。
いやぁ、ここまで見せつけられると「参りました」って感じだ。
透視度がスッキリしないのは、やっぱこれが原因なんじゃないかなぁ~w

今週末は午後2時あたりが干潮なので、午前中11時あたりに行くとこんな感じなんじゃないかと思いますよ。(たぶんね、保障なし)
平島沖のポイントブイロープの根元の岩、のすぐ隣のベラまみれの岩。これほど産卵していなくてもベラまみれです。
水深は8mほどですよ。







と生命誕生の瞬間もあれば、その逆もある。
少し離れた所の岩陰にいたカワハギは傷だらけの重傷だった。
頭も切れているし、お腹は肋骨が見えて内臓が出てしまいそうだし、胸鰭はもはや無い。
サメかウツボにでも襲われたんだろうか?

それでもこの岩陰にじっとしているのは、恐らくサラサエビにクリーニングをしてもらいたいのだろう。ヒレをヒラヒラと小刻みに動かす様子は、クリーニングステーションに掃除をしてもらいに来る魚の動作だ。
もはやクリーニングではどうにもならない。のを知ってか、エビも掃除をする様子はなかった。

これほどまでに傷ついていているのに普通に泳いでいる魚をみるのはとても貴重なことだ。しっかり動画に収めた。
魚が「食われる」以外で死ぬ場面に遭遇するというのはとても稀なこと。海に死体は長い事転がっていたりはしない。激しい生き抜き競争の世界だ。




 

2014年7月3日木曜日

真っ赤な海



 
2014年7月3日 伊豆半島赤沢
水温24度(表層) 透視度10m(表層)

相変わらず水温三層構造なんだけど、水深5mくらいまでは24度台と温かった。25m下のディープな所は15度ほどだから、なんと10度の差がある…
人間でも1度の差は感じられるのに、海の生物にとって10度の違いは別世界だろうな。

 写真はボートポイントの三角岩と呼ばれるトンガリ岩。ここは水温23度くらい。
すぐ下まで迫っている20度前後の水を嫌ってなのか、トンガリ岩のてっぺんにキンギョハナダイが大集結していた
ほぼ目の前真っ赤

 「海底が見えてないと絶対にいやなのっ!」という完全沖合型ではなく地面あっての浮遊的魚達にとっては赤沢の急斜面は好都合だろう。なんせ水深5mから100mまでを殆ど移動することなく行き来できる。
今日は多分「暖かい浅瀬に行くよ~」って事で集まっていた気がする。
ダイバーでさえ、暖かい所選んで泳いでたしね。おんなじだ。

あ、ここ数日アオウミガメもよく見かけます。今日は2匹でぐるぐる回ってた。1匹は首周りと手のヒレにフジツボが多い個体で、割とダイバーを怖がらないのんびりタイプ。一昨日もふと見上げたら目の前を泳いで手こっちがびっくりしたくらいだ。
追い掛けなければターンして近づいてきたりして、けっこう可愛い。
爬虫類だからね、彼らも暖かい方がいいんだろうな。
赤沢のボートポイント、0番手前の小浦鼻から3番にかけての水深8mあたりをウロウロしてるみたい。
 
出会ったら無理に追い掛けたりしないようにしてあげてね。