2011年12月9日金曜日

縦縞横縞

12月9日
赤沢
雨のち曇り
気温4.7度
北北東の風13m
水温19.5度
透視度15~20m

今日は寒かった。
朝10時ころに出かけたら、みぞれ交じりの雨が降り、富戸の海は大しけ中のシケシケ。
沖を見ても見事な白波だったので、赤沢もどうかしらと思ったのだけど、見事に穏やかだった。

富戸の港は北東に開いた海だから、南や西風にはめっぽう強く、赤沢はその逆で、南向きだから北寄りの強風が吹いても穏やか。
と人には言うものの、ここまで違うのかと思う事が度々ある。
今日はお手本のように違っていた。

今日のお客様は、100本近くを全部赤沢という、あえて赤沢一筋の方。難しい一面、季節の移り変わりを見てもらえるので嬉しい気がする。

青いのは、「ジガミグサ」という海藻の一種。
見る角度や光の当たり方によっては綺麗に青く光っているように見える海藻だ。
別に珍しいと言う訳ではなく、ごく普通に岩肌に生えてる。ジガミグサの他にも光ってるように見える海藻と言うのは結構あるので、岩肌に目を凝らして、ライトを当ててみるのも面白い。




あまり見かけない魚がいたので、じっくりと見てみた。
これはヨコスジイシモチという魚で、ある図鑑によると、「伊豆では秋に稀に見られる」と書いてある魚だ。
好んで棲むところが泥っぽい岩場と、少々変わった好みのようで、どうもそれが原因で稀になっているのかもしれない。泥場を好んで潜るダイバーは少ないしね。
赤沢はまったく泥の混ざらない、珍しいほどのサラサラの砂地だ。このヨコシマイシモチも、定住の地を求めて去ってゆく、んだろうな…

そう、魚の模様は泳いでいる状態で縦縞になっているのを、「横縞」と言い。横に筋があれば「縦縞」という約束がある。
潜ってきたダイバーが、「縦縞の魚がいたけど何だろう?」と言われても、その約束を知っている人なのか、それとも知らずに見た目で言っているのかを確かめないと、縦と横が逆になってしまって、まったく何の魚なのかは分からない。
この魚も、見た目では見事な縦縞2本なのだけど、名前の通り横縞なのである。

2011年12月8日木曜日

再生の芽


12月8日
赤沢
晴れのち雨
気温10.9度
北北東の風3m
水温19.4度
透視度15~20m

朝のうちはいいお天気だったのだけど、だんだんと曇り始め、お昼過ぎには雨が降ってきた。
風は北寄りなので赤沢は波もなく静か。港内にはギンイソイワシが大量に群れている。

カタクチイワシと違ってビュンビュンと活発に泳ぎまわる様子はなく、水面から水深2、3mほどにかけて雲の様に漂っている。もっと日差しがあったら、いい光景になるだろうな。

ギンイソイワシは、一見カタクチイワシの様なんだけど第1背ビレと第2背ビレ、ふたつの背ビレが有る奴だ。
 カタクチイワシには背ビレはひとつしかない。よーく目を凝らして見ると、どうにかこうにか第2背ビレが見えるのでカタクチイワシでじゃぁない、というところまではわかるのだけど、果たしてギンイソイワシなのかトウゴロウイワシなのか、それともムギイワシなのかは、正直分からない。

わからないのに、なんでギンイソイワシと言ったかというと、先日釣りをした時に釣りあげたので、少々高価な図鑑とにらめっこしてヒレの骨の数などを数えてみたからだ。それくらいしないと分からない、というか、それでもわからない種類もある。
 僕は魚の先生でもなんでもないけど、とりあえず赤沢の港内を埋め尽くす様に泳いでいる奴らはギンイソイワシと決めた。

ちなみに、ギンイソイワシは美味しくもなんともない…





足が取れてしまったショウジンガニがいたので、ゲストに、「自分で切り離すようにできてるんだよ」的な、カニの不思議を紹介しようと思った。
黒くなっている所が自分で切り離すことのできる自切点なのだけど、折れた3本中1本は赤いのが目に入った。

あれ?あれれ?もしやこれは…

そう、これが「再生芽」だ。


袋状になった薄膜の中に、折りたたまれた小さな足がわかるだろうか?

次に脱皮をすると、少し小さいながらも元の足が出来上がっているんだ。薄膜の袋は脱皮殻として残される。
これはトゲアシガニの脱皮殻。再生芽の薄膜が残されている。




このショウジンガニの再生芽。薄膜の様子を伝えつつ、透明感があって中の様子が見える感じがなんとも素晴らしい。
新たな足にすでに模様ができている様子や、折りたたまれ具合と爪の先が見えてとれる様子も最高だ。僕のダイバー生活史上べストオブ・再生芽だ。


これでゲストが喜んでくれるかどうかが一番の悩みどころだったのだけど、食いつく様に見てくれたので安心した。
今日のゲストは3年ぶり2回目のガイドとなる女性。ダイビング本数は25本。
「あんな風に足が生えるんですね、初めて見ました」って言ってたけど、そりゃそうだ、これはダイビング20年、10000本中のベストオブ再生芽なのだ。

きっと、暫くは見られない。
海の中には一期一会のルールがあるようで、人の思うようには、なかなかならない。

2011年12月5日月曜日

海岸旅



北緯41度の下北半島から夜の六本木に移動した。13年分のダイバーを集めたイベントをするためだ。


あいにくの嵐の六本木ナイトだったけど、嬉しいことに60人も集まってくれた。久しぶりに朝まで歌ったりしたのだけど、始発前、早朝の六本木の人の多さに驚いた。

朝6時前にラーメン屋が開店していることでさえ普通ではないのに、大勢の異国の人々や、異様に目がパッチリなお嬢さん方で超満員だった。


早朝の路地は、妙に静かで灰色な感じで、夜が続いていた店内から一気に現実に放りだされてしまったような気になるのだけど、六本木では夜の終わりをお祝いするパーティーみたいに人々が行き交っていた。

きっと毎日パーティーなんだろう。変わった街だ。


一夜明けたら、まるで初夏を思わせる様な好天で、快晴の銀座では上着を脱いでTシャツで歩いていた。

青森帰りの自分だけTシャツなのかと思って見まわすと、まわりの人もTシャツだったので少し安心する。


妻の弟が出店している有名デパートの催事場に行ったり、ランチをしたり、業務の打ち合わせをしたあと、暑い東京を後にして僕は青森に戻った。

東北新幹線に乗って約3時間半。七戸十和田駅に着くと、雪だった。



翌日も深々と朝から雪が降っていて、景色は一面の銀世界に変わっていた。これが今シーズンの初雪ということで、なんとも、暑かった東京からギャップのあることか…


雪が降ると楽しみなのが砂浜の光景だ。

長い砂浜が真っ白になって、とても綺麗なんだ。見渡す限り、自分以外の人はいない。

もの凄く寒いけど、ずっと見ていたくなる。




真っ白な世界から一転して、岩肌の海岸は房総半島。

外房の千倉で、業務用潜水の講習を行うためだ。


3年ほど前に、まったく同じ海岸を歩いたはずなんだけど、前回と今回で、自分の中で海岸の見方がだいぶ変わったなと実感した。

最近、伊豆半島の海岸のことを勉強しているせいだろう。なかなか興味深い海岸だった。




房総からの帰りは、久しぶりに東京湾フェリーに乗ってみた。

房総半島の先端辺りから伊豆半島へ戻るのなら、金谷からフェリーに乗って久里浜で下り、湘南を通ったほうが、東名、アクアライン経由より100キロほど短かい。

フェリーに乗っている間は運転をしなくてもいいので休めるし、なにより船旅気分なのが気持ちいい。


この日は平日の最終便だったので、乗り込む車は少なく、出発間際まで僕の車1台だった。



アクアラインができるまでは、先を争うようにしてフェリーターミナルに並んだもんだけど、最近はそんなこと無いんだろうか?

誰もいないデッキは、寂しい感じが漂っていたな。




日曜日の伊豆は見事に晴れ渡った。

土曜日の大荒れからは想像も出来ないほどの快晴だ。海も穏やかになって、最高の海日和。伊豆海洋公園で写真を撮ると、まるで南国の雰囲気になる。

青森の真っ白な海岸とは、随分と違うね。






季節はすっかりクリスマスモード。もう12月なんだね。恒例の水中クリスマスツリーも設置されている。





水中ポストにクリスマスカードを投函。

普通のはがきじゃぁ濡れてバラバラになってしまうので、書いたカードをパウチして防水してくれるんだ。

「水中から送るメリークリスマス」というわけ。





インストラクター用に、サンタの衣装を貸し出してくれるのだけど、今年は僕も着てみた。

意外と似合ってしまった。




2011年11月16日水曜日

北緯41度





先週は水中カメラマンの仕事で信州へ、今週は海中の環境調査の仕事で北国だ。
 北緯41度。延々と続く砂浜には鏡みたいに綺麗な波が打ち寄せてる。水温は15度前後で、思いのほか暖かいけど、最低気温は0度で少し雪がちらついた。
風は、ものすごく冷たい。

 昔からよく「いろんな所へ行かれて良いですね」と言われてた。「そうですね」、と答えはしてたけど、最初からそういう、あっちで撮影、こっちで調査、またあっちで調査。という仕事しかしたことが無かったので、特にそれがいいと思ったことはなかった。正直なところ、強制的な地方巡業みたいで嫌だった。

 数年前に伊豆で定着して、毎日毎日同じ風景と海の中を見るようになると、地方の海への撮影や調査は必然的に少なくなった。でもその分、違う海へ出かけるということがとても楽しみに変わってきた。
 “毎日の伊豆の海に飽きて、違う海が新鮮だ”という訳ではなく、その逆なんだ。
まったく違うところに潜ってから戻ったときの伊豆の海。そのときに新しい見方ができるようになるような、そんなヒントがあるような気がするんだ。





前回のブログで書いたトラウツボとイセエビの救出劇の話はとても人気が高かったようだ。
 ダイバーが珍しがって喜ぶような生物のお話より、みんなが良く知ってる当たり前な生物が、実際に海の中でどうやって生活してるのかの方が興味を持ってくれるということなのかな?。
僕はその方が嬉しいけどね。

そういう話は実は海の中にいっぱい転がってるんだけど、どうも目が慣れちゃうと素通りしてしまいがちになってしまう。
 そうならないように。といつも心にとめてはいるのだけど、やっぱりなかなか難しい。慣れというのはとても恐いもんだ。
 そういう意味では、ちょこちょこと呼んで頂ける違う海の仕事はとてもためになる。慣れで無意識のうちに固まってしまった感覚を、元の方へ修正してくれるような気がする。
 目をつぶって、深呼吸をするような感じだろうか。





前回の今回で、同じようなんだけど、今回は写真じゃなくて動画で撮ったものだ。 基本的に僕は動画屋さんなのでね。こっちの方が面白いでしょ?という再出品だ。

 本来は別の作業で潜っているので、こんなことしている暇はないだろう!と怒られそうなんだけど、この状態を見てほっとくわけにもいかないしね・・・

このカニは「ショウジンガニ」というカニで、伊豆の浅瀬の岩の隙間を覗き込めば、必ずいるといってもいいくらいに沢山いるカニだ。
伊豆の民宿で出たお味噌汁に、半分にぶった切られた真っ赤なカニがドーンと入っていれば、まずそれはショウジンガニ。出汁だと思って食べない人も多いけど、ぶりついて身を吸うとすばらしく美味しい。

 テトラポットの下で放置された釣り糸に絡まって身動きがとれなくなっていたこのショウジンガニ。
いったいどういう風に絡まったのか、体中グリグリに何周も巻かれてしまっている。これじゃあ自分で脱出することはまず無理だ。

取ってやろうと思ったのだけど、ナイフを持ってなかった。
作業用のすばらしく切れるナイフをいつも持ってるのに、鞘が壊れたので外してたんだった。
無理やり引っ張ったら体が壊れてしまうし、このグリグリをほどいていくしかない。
 最初は逃げようとしていたショウジンガニも、はずしにかかったらなんだか大人しくなって、ハサミで攻撃することもなく、まるで犬がひっくり返ってお腹を見せているような状態だった。
よく見ると、ショウジンガニは卵を抱えたメスだった。お腹いっぱいに見える黒いツブツブは全部子供達。これは救出しないとかわいそうだ。

なんとかほどいてあげて、そっと離したときが面白かった。
ゆっくり歩いてたかと思うと、急に走り出して、クルっと一回転して岩の中に消えていったんだ。
なんだか、すっごい喜んでいるように見えてビックリした。カニがそんなことするのかな?

 カニが喜びを表現するなんて、聞いたことは無い。
足が一部具合悪くなってて、図らずも一回転してしまったとも思えなくも無いが。。。
喜んでいたと、思いたい。

浦島太郎みたいな昔話は、こんな出来事から始まるんだろうかと想像してしまった。

2011年11月7日月曜日

【11月7日:赤沢】 海中救助隊、出動。



7 Nov 2011
Akazawa IZUpeninsula
Fine
Temperture 20.2
Wind NE 2m
U/Wtemperture 21
Visibility 15~20

昨日はテレビ番組の水中カメラマンの仕事で信州の湖へ行ってきた。さすがに信州は肌寒く感じたのだけど、いやいやとにかく紅葉が見事だった。

伊豆の山の緑を見て、「緑っていろんな緑があるんだなぁ」と思ったけど紅葉の赤もすごいもんだ。

ちょっと写真に撮ったけど、うまく写ってないので、とりあえずマイケル・ケンナ風にして遊んでみた。




こういう表現って、ビデオではかなわないなぁ。。。




今日は赤沢。

色々と探索しようと思って泳いでいたのだけど、どうも釣り糸が気になる。

最近釣りがまたブームなんだろうか?やたらと引っかかって放置された釣り糸が目にとまる。


どうたったらこんなスパイダー状態になるのだろうか?。これ見て、今日は探索はやめてちょっと掃除をすることにした。





釣りの仕掛けが引っ掛かってしまったら、陸がわから切るのが普通なんだろうか?。堤防のまわりは延々と続く釣り糸だらけだ。

釣り糸は波に揺られ、ムチのようにまわりの海藻に絡まりながら引きちぎり、最後は団子状になる。

海藻が無ければそこに棲んだり、付着物や海藻自体を食べる生物は困ってしまうので、そこには棲めなくなってしまう。

海の中が釣り糸だらけだと、ダイバーが危ないだけじゃなくて、海の生物にも危機なんだ。




岩の中へと続く糸を覗きこんだら、イセエビと目が合う。

普通なら穴の奥へとバックして逃げて行くところだけど、こいつはジタバタするばかり。

釣り糸が絡まってるんだ。



体は複雑だし、トゲトゲしてるからね。自分で外すのは難しいだろうね。

なので、救出!

イセイエビは実はハサミがない。指を挟まれる心配なく、意外と安心して作業ができる。


イセエビ1名救助しましたっ!



さて、お次の糸を、と引っ張ると、何やら振動が・・・

もしかして魚付いてる??




なーんと、出てきたのはトラウツボ

それもちっちゃいの!。かわいいー!!なんか体つきがレプトケファルス幼生時代っぽい感じがするくらい小さいの。

いやいや、この場面では「かわいそー」だな。



針は小さくて、完全に貫通してはいないみたいだ。抜けるかなぁ…

貫通させてから抜こうにも、ニッパーなんて持って泳いでない。




ってね、もの凄いヌルヌルでまったく体をつかめないんだよね。

糸を手繰って針をつまむとクルクルと丸まってこんなんなっちゃうし・・・


口もえらい小さいので、噛まれても大丈夫だろうと素手になって挑んだんだけど、いやいや、こいつは時間がかかった。


でも。


トラウツボ1名救出しましたっ!!



口をぶっ壊すこともなく針は外れ、岩の隙間へニョロニョロとお帰りになった。




いやぁ、釣り糸手繰るとそんなに生物がついてるもんかね…

と首かしげながら泳いでいると、ほら、今度は何だよ。


海面から繋がった釣り糸の先は岩の隙間の小さな棒に絡まってる。

釣り竿?、いやいや、動いてるし。




要救助者発見しましたーっ!!!




「た、助けてぇぇぇーーーー」

と声が聞こえてきそうなシーンを撮らせてもらい、スーッと触覚を撫でると糸はイトも簡単に取れたとさ。


イセエビもう1名救助しましたっ!!


釣り糸が偶然に触覚で巻き結びになったんだろうね。

緩めてみようとは思わずに、ひたすらに引っ張り続けていたので取れなかったらしい。さすがエビだ、バックあるのみ。




今日は釣り糸を巻きに巻きまくったんだけど、回収する袋をもってなかったもんで、手で持ってたら自分も釣れちゃった。中身には刺さらなかったけどね。


釣りするな、なんて言ったって絶対に無理だろうからなぁ。僕もするしね(笑)

いつも潜ってる海だからね、たまには掃除をしないとイカンということでしょう。面白い発見もあるかもしれないしね。

2011年11月5日土曜日

【11月5日:赤沢】 甘い名前



5 Nov 2011

Akazawa IZUpeninsula

Cloudy

Temperture 22.1

Wind S 2m

U/Wtemperture 21

Visibility 10~18




寒い寒いと言っていた秋の入り口だったのだけど、ここの所暖かい日が続いてる。

晴れ間が覗けば暑い位、北風が多少吹いていても、厚手の上着を着るような感じでは無い。

海の中も、少しだけ暖かくなって、まだまだシーズンだなと感じさせる勢いだ。


アカヒトデを見てみるとヒトデヤドリエビがいる事が多くなってる。

年中アカヒトデに棲んでいるというわけでもなく、秋からがよくみられるシーズンだ。


このエビ、あまりにも短足なためか、よっぽどの角度からみてみないと足が見えない。

いや、よっぽどの角度から見てもよく見えない。

裏側は一体どうなっているのか、今度うまい観察方法を考えてみようかな。


ふと目にとまったウミウシ。

実はかなり小さいウミウシで5ミリくらいしかない。

別に捜そうとしてた訳ではないのだけど、目にとまってしまったのだからよく見てみることにする。


小さい割には柄が豊富な体で、触覚の先がオレンジで綺麗だ。

スイートジェリーミドリガイ、という奴だろうか?

ウミウシはカラーバーションが色々あるので、なかなか種類を調べるのは難しいね。


しかし、スイートジェリーだなんていう名前の生物がいるなんてウミウシは面白い世界だ。

「魚の名前を憶えるのが苦手なんですよねぇ…」という話をよく耳にする。別に名前なんて憶えなくたって構わないとは思うのだけど、こんなインパクトのある名前だったら、グッと興味を持ってもらえるだろうな。


こいつはどうかは別として、僕は「スイートジェリーウミウシ」はもう憶えたよ(笑)
















2011年11月4日金曜日

【11月4日:赤沢】 オンリーワン


11月4日
赤沢
晴れ
気温21.3度
北北東の風3m
水温22度±
透視度15m±

陸も水の中もいい秋。海も穏やかだ。
蒼く透明な水は、ここ2、3日はちょっと高くて23度を指す時もある。
「温度計壊れたかな?」って思うけど、確かに肌さわりも温い感じ。1度の差は肌で確実にわかるほど大きい。

見事にカラフルな魚は、「ツノダシ」。
いかにも南国チックな色合いだけど、伊豆でも普段から見られる魚だ。
いつもは1匹か2匹で見る事が多いのだけど、今日は6匹も集まっていたので綺麗だったな。
南国の島では、このツノダシが数百と群れて見られることもあるそうで、そりゃぁ見応えあるだろうなぁ。


あまりにも普段から見かける魚なので、ガイドでもいちいち「ほら、あれがツノダシだよ」って言う事は少なくなってしまっているんだけどね。このツノダシ、実は結構凄者だ。

だってさ、インド洋から太平洋の、足のつくような浅瀬から100mを超える水深まで、物凄く広い範囲でいるんだよ。
伊豆でもオーストラリアでもハワイでもタヒチでもモルディブでも。手軽なスノーケリングでも死にそうになる位のDEEPでも、ツノダシに会える。

そして、ツノダシは「スズキ目 ツノダシ科 ツノダシ属 ツノダシ」。
スズキ目ってのは、大概の魚的恰好をしている魚はスズキ目なのでまぁいいとして、その先の分かれ目からは「ツノダシ」一種類だけ。ほんの少しも親戚のない。完全無欠のツノダシオンリーワン。
世界中出会うツノダシは、○○ツノダシ。などと枝分かれすることなく、ツノダシはツノダシ。

なんかそれだけでも一本筋の通った気迫を感じさせてくれるのに、さらには繁殖についてもよくわかっていないようで、どこでどうやって産卵して育つのかは謎みたいだ。

超メジャーなのに私生活は謎だらけなんて思うと、無視するわけにもいかないなぁ…





これはメジナ。
縦の写真、好きなんだよね。気持ちいい感じがする。
テレビも縦にならないかな・・・

2011年10月31日月曜日

【10月31日:赤沢】 魅惑の模様



10月31日
赤沢
晴れ
気温19.3度
北北東の風2m
水温21度
透視度15~20m(ボートポイント)


やはりだんだんとイシガキダイの群れが大きくなっているように思う。
ボートポイントの斜面に潜っていると、何度かすれ違うイシガキダイの群れ。
同じ群れが行ったり来たりしているのか、それともいくつかの群れがあるのか…

イシガキダイの群れって一回こっちを見に来るんだ。
誰だこいつ?なにこれ?って感じ。
それで、すーっと遠ざかって行って、あまり振り返らずに消えてゆく事が多い。
そう思って見ていると、やっぱり一回は挨拶しにくる。
結構かわいい。
そして綺麗な模様。結構見とれてしまう。

2011年10月30日日曜日

【10月30日:赤沢】 ハロウィンダイブ

10月30日
赤沢
晴れのち雨
気温18.5度
北北東の風6m
水温21度
透視度7~15m






昨日は川奈で行われたハロウィン仮装イベントに出場。
前々からハロウィンで勝負しようと思っていたダースベイダーに、とうとう登場して頂いた。
ちょっと工夫をこらしたダースベイダーになっていて、このままダイビングできるようになってるの。
水中で会話もできる、要はフルフェイスマスクになってるというものだ。
スキューバの呼吸音がなんとも本物のダースベイダーっぽくて気に入ってる。

メンバーはウェディング姿の花嫁と付き添いの赤、青レンジャー
見事に特別賞のキンメダイをGETして、夕食は美味しく金目しゃぶしゃぶ!美味しかった、ありがとうベイダー卿。

来年はどうしよう、ネタに困る…




今日は赤沢。
向き的に北東の風は避けてて良かったのだけど、ちょっとウネリがあったかなぁ。
小さなものを見る時は揺れが気になったね。




このウミウシはなんだろうね?
スイートジェリーミドリガイって奴かな。





赤沢でも懲りずにちょっとコスプレしてみたり。
ちょっとそれっぽく動画を撮って楽しんでみた。





海の楽しみ方は色々っすよ。

2011年10月27日木曜日

【10月27日:赤沢】 未確認物体来襲

27Oct 2011
Akazawa IZUpeninsula
Fine
Temperture 17.1
Wind NNE 3m
U/Wtemperture 21
Visibility 15




飛びこんだらクラゲだらけだった。
複雑な形の小さなクラゲは櫛クラゲの仲間だとすぐにわかる。櫛クラゲは刺胞を持たないので刺される事は無い。
あたり一面のクラゲ避けられない様な状況でも安心して見る事ができる。
こういう時は美術館に来た様な気分だ。



クラゲはとっても綺麗だ。
ダイバーの吐く泡ででも壊れてしま様な儚い体なのに、造形は複雑で、柔軟な動きをする。





H・R・ギーガーもジェイムズ・キャメロンもジョージ・ルーカスも、こういう生物からインスピレーションを受けてデザインしているんだろうな。
人間の象像を超えてる。








櫛クラゲは、櫛板という点線のようなブロックが何本かあって、光の反射を受けて七色にウェーブして光る。

滑走路の照明みたいな。いやぁ、やっぱり宇宙船だろうな。

コントラストを上げたら宇宙船みたいな画像になった。







また目の前に宇宙船が現れた。
今日は、何だ?








表面に凹凸のある透明な袋状の物体。

一方だけ穴があいていて、中は空洞だ。




サルパだろうか?、それともヒカリホヤのような仲間だろうか?

透明な中に微妙に点々がある所を見ると、どうもホヤの様な匂いがする。



あいや、やっぱり宇宙船か。

誰も乗ってはいなかった。







宇宙船から下りてきた宇宙人にこんなのはどうだろう?

超密集した木みたいなんだけど、これはこれでひとつの動物。テヅルモヅルだ。

簡単に言うと、「えれー枝分かれしまくったヒトデ」。







腕の先っぽ。

枝分かれしまくってるでしょ。

よくまぁ自分で自分に絡まってしまわないものだなと感心してしまう。


夜行性で、普通昼間は岩の隙間でまん丸くなってるので、実はなかなか出会えない生物なんだな。



今日は色々と不思議な生物に出会ったもんだ。

2011年10月25日火曜日

【10月25日:赤沢】 毛の生えてる貝

30 Oct 2011
Akazawa IZUpeninsula
Fine
Temperture 25.1
Wind WSW 6m
U/Wtemperture 21
Visibility 15~25

ここのところ、0番ポイント付近で出会う事の多いアオウミガメ。
少し小ぶりなカメなのだけど、甲羅に白い斑点が1個あって、同じカメなのだとすぐにわかる。
0番から、少し港に戻った小浦鼻にかけての浅瀬で見かける事が多い。よっぽどここが気に入ったのだろう。
このカメ。あまりダイバーを恐れてないみたいだ。
こちらも、急に泳いだりせずにマーッタリと並走すると、カメもマーッタリと泳いでくれる。加速して行ってしまわない可愛いカメなんだな。

ま、カメも泳いでるしね。絶対に会えると言うわけではないのだけど、透視度がいいので出会う確率は上がってるね。



岩肌にひときわ目立つ巻貝ひとつ。

濃い黄色の貝に、ほんのり赤い剛毛が生えてるんだ。
生え具合がきれいだったので、じっくり見てみた。



良く見ると毛は枝分かれしていてフサフサ感がある。
なんだか貝と言うより恐竜の背中みたいだ。






なんでこんな毛が生えてるのかなぁって思うんだけどね

巻きの先端の過去の部分には毛が生えてないってのがヒントなんじゃないかな?

巻貝の成長は口の部分がどんどん伸びて巻いて行くわけだけど、口の縁の部分にこの毛が欲しくて、成長と共に移動した毛は惰性というか、まぁ別に付いてても付いてなくてもいいよ的な…


毛のささくれは地面側に伏せる様な方向。

歩く時にモップ的な働きをするんだろうか?外的にひっくり返されにくいようにしてるとか?


あぁ歩いてるところ見たかったなぁ

写真を撮ってるうちに体は引っこんでしまったので、歩く様子を見る事はできなかった。

体の模様も見えずじまい。

カコボラなんじゃないかな?と思ったのだけど、どうも違うみたいだ。

分厚い貝の図鑑を見たけど、よくわからない。

こいつは一体誰なんだ?
貝は難しいね。何が難しいって、図鑑の文章が難しいの。


---螺層に太い2本の螺肋があり、体層にはさらに数本の肋を持つ

     ・・・縦張肋は太く殻口外唇は最後の縦張肋となる

              

暗号だな。。。






これ見たらわかる人いるかなぁ。