2011年6月30日木曜日

【6月30日:赤沢】 ○霞蓑海牛 ×カス耳の海牛



6月30日
赤沢
晴れのち曇り
気温30.5度
南南東の風3m
水温20度~21度(表層)
   18度~19度(水深15m以深)
透視度7~12m(表層)
    10~15(水深15m以上深)


14時ころまではかなりの日差しでした。最高気温30,5度という網代の記録だったけど、「え?あれで30度なんだぁ…」となんだかガッカリするほどに参った。まだ体が夏に対応してませんぜ…

海は穏やか。
不明瞭ながら2層になっていて、深い方はひんやりと綺麗な水。浅い方はやや濁るものの暖かく、水面近くでは21度。
ビーチの砂地ではマダイの子供がちらほらと現れ、なんだか夏模様一直線。アオリイカの産卵床は、まだ産卵に来てないっす… 川奈じゃ炸裂しているらしいけど、なんで産みに来てくれないんだろなぁ。





ベニシボリの卵かな?と思ったらカスミミノウミウシ。
普段は砂の中にいるようで、よほど偶然じゃない限り、砂の上を歩いている所は見られないだろうな。赤沢の砂地でもあまり見かけない。

奥にあるのがベニシボリの卵なのかな?と思って探ってみたらカスミミノウミシとご対面、と言う訳。
この系統は同じ様な卵なのかな?だとすると、結構いろんなのがいそうな気配がする。もっとしっかり見てみる事にしよう。

あ、「カスミ-ミノ-ウミウシ」ですからね。「カスミミ-ノ-ウミウシ」。だとちょっとイメージ悪すぎ(笑)










2011年6月28日火曜日

びしょびしょ避暑

今日はダイビングはなしの日。
南西の風が強くて富戸や海洋公園、川奈あたりはベタ凪だけど、赤沢の港外は波立ってた。
天気はぐんぐんと快晴まっしぐらで、もう今年は夏を越せないかも…というくらいの暑さ。気象庁の網代気象台の記録では33,8度だったそうだ。
まだ猛暑日にも達していないのにギブアップ寸前。水に浸かっていないと、ホント駄目だ…

去年はクーラーも効かないほどに暑かった日当たり抜群すぎなアクアティック・プロだった。今年はさらに電力が止まるかもしれない。
もう電力には頼らない様にしようと決心して、まずは天井に断熱材を入れた。1階のショップスペースの上はテラスになっているので、直射日光バリバリで暑すぎるからだ。

断熱材だけでもかなり効果があり、今の所サウナの様な暑さ地獄にはなりそうもない、これでテラスにシェードをして日陰にすれば随分違うだろう。

あとは一階の目の前。
いよいよデッキを製作するのだけど、直射日光にさらされた地面の熱が抑えられると言う効果はあるだろう、デッキ自体も熱々になるので、日差しとパラソルで日陰を作り、さらにミストをしてみることにした。




まずはミストのキットをひとつ買ってきてテスト。
風の向きと強さにはかなり影響されるけど、なるほど、涼しい感じがする。体感的にも涼しいけど、ミストのキラキラが綺麗だ。虹が出そう。
というか、要は濡れている訳だな。濡れた体に風が当たれば、そりゃ涼しい。

濡れて涼しさを得るなんて、なんとダイビング屋らしいのだろう!。と、かなり気に入った。
今年の夏は濡れて涼む。名付けて「びしょびしょ避暑」。だ。
どっかの番組のパクリだけど…

写真はわかりずらいけどミストが出てる。
説明によると1時間で2円程度の水道代だそうだ。写真にバッチリ写らないくらい薄いミストだということ。だよ。


あとは屋根裏を断熱して、風通しを良くして熱がこもらない様にして、ドでかい観葉植物を置く事にしよう。
どこまで涼しい夏にできるかな。





2011年6月27日月曜日

【6月27日:赤沢】 紋次郎ウミウシ?

6月27日
赤沢
曇り時々雨だったり晴れだったり…
気温24.2度
北北東の風1m
水温19~20度
透視度5~10m

週末は水温18度で綺麗な水が表層まで来ていたのだけど、20度でやや濁った水が戻ってきた。
水深5mほどまでは、「あぁ、またモヤっとしてるなぁ」といった雰囲気だが、水深10mでは割と気分のいい透視度だった。
今日は水深12mまでしか潜っていないので、それより深い所はどうなっているかわからないけど、18度で綺麗な水は下の方にありそうだった。
まぁ、これが普通の6月ですな。




最近の浅瀬は、小さくてまだ綺麗なカエルアンコウがやたらと多かったり、産まれたばかりのネコザメが、群れか?っていうほどいたりして賑やかだ。小さいうちはなんでも可愛い。

サカタザメやカスザメも結構出会うし、ボートのポイントにはナヌカザメの卵もあるので、サメ好きの人には喜ばれる。

ウミウシ好きな方には、数日前に出現したド派手なミアミラウミウシを!と思っていたのだけど、1日で行方不明になってしまった。どこへ行ってしまうのだろうね?

最近あまりウミウシを見ないので、さて。と思いついたのがこいつ。

ちょこんと頭に三度笠を乗っけたみたいで、木枯らし紋次郎風でシブいウミウシでしょ。と紹介しようと思うのだけど、なんとこいつはウミウシじゃぁない…。名前も「スカシガイ」、と貝がつく。もちろんウミウシ図鑑にも載ってない。


カテゴリーとしては、アワビやトコブシの親戚縁者にあたる巻貝で、大概の図鑑の場合、隣がアワビになってる。

しかし、どう見ても貝が小さい。

ウミウシの定義が曖昧でピンとこないのだけど、ウミウシの仲間だったら「カワイイ」って言われたかもしれないのに。


待てよ。味か?。アワビの親戚だけに、もしかしてスカシガイは食べたら美味いのか?

食べて美味かったら、そりゃぁウミウシには入れねぇよなぁ。







あんまりいい話じゃないのだけど、今日はこんなのを見てしまった。

釣り糸がソフトコーラルに絡まってしまって痛々しい。


最近の釣り糸は良く出来てるみたいで、切れないの。

繊維で出来てるのかな?カラフルな釣り糸は岩に擦りつけた位では切れないし、ナイフでもかなり鋭利なものでないと切るのに苦労するくらいだ。普通のハサミじゃ切れなかった。






切れて放置された釣り糸は波に揺られて海藻などに絡みに絡みまくり、そのうち辺りの海藻を切ってしまう。全自動草刈り機になってしまう。

この写真の釣り糸は、波打ち際から50m以上沖まで伸びてた。岸から引っ張っても巻けないから、わざわざ先端の引っかかってる所まで行ってから糸を手繰って回収。長かったよ。


僕もたまに釣りをするし、釣りが悪いって訳じゃないんだけど、せめて先っぽの仕掛けの所から切れるようにならないのかなぁ?

仕掛けの所だけなら潜ったついでにって感じで掃除もしやすいし、錘は集まればダイビング用の鉛に再生できるし。


釣りをする方はご協力願います。



















2011年6月25日土曜日

【6月25日:赤沢】 夏モデル登場?


6月25日
赤沢
晴れ
気温33.4度
西南西の風6m
水温17~18度
透視度10~15m(ビーチポイント)
    15~20m(ボートポイント)

南西の風が強かったので港外はパシャってた赤沢。
さすがに港の出口の水深4mあたりではやや揺れだったけど、ウネリでは無いので5m以深は問題なし。
それにしても陸上が暑い!急に夏の様になったのだけど、水の中は17度と、おいおい冷たいな…
表層がやや濁って水温20度。という層はどこかへ行ってしまい、下の方にあった綺麗でやや冷たい水が全体になったようだ。

浅瀬の透視度が良くなって見上げる太陽が綺麗なので、夏っぽい写真でも撮ってみようと、たまたま出会った若いミノカサゴさんにモデルを依頼してみた。
この子は止まってポーズを決めてくれるという、かなり優秀なモデルっぷりだった。いや、逆に「はい、そこでシャッターでしょ」と指示されているくらいな感じ。なかなか心得ているようだ。

胸ビレが一本折れてるという分かりやすい特徴があるので、今後再会してもモデルのカサ子さんだとすぐにわかる。会ったらまたモデルをお願いしてみよう。
今度は上の方をダイバーが泳いでるバージョンなんていかがかと…


海の中の夏はまだまだこれから。陸上が暑いからといってサマーモードのスーツにはまだちと早いようで、フード付きベストなどお忘れなく。
ドライの方は陸上で大汗かいてしまい、水の中では劇的な寒さになる場合がるので、汗で濡れても冷たさを感じない様なインナーを着るのがお勧めですよ。





2011年6月20日月曜日

【6月20日:赤沢】 美にこだわる海藻

6月20日
赤沢
曇り時々雨
気温24.2度
西の風4m
水温19度~20度(表層)
   18度(水深15m以深)
透視度5~8m(表層)
    15~20m(15m以深)




池の様に穏やかだった週末から、南東方向からほんの少しウネリのある状態になった。
見事なまでの凪に変わりは無いのだけど、静かだった週末で体が贅沢になったのか、浅瀬では揺れを感じる。

透視度は相変わらず、微妙な2層状態。
表層が濁ってるとは言え、場所によっては10mほど見えていたりして、パッチ状にいろんな水があるような感じがする。時間にもよるし、良いのか悪いのか、何とも言えない。




今日は青い海藻に目を奪われた。
水温が上がってきてワカメが枯れ、モクも少なくなってきて、岩肌には茶色や赤や緑の、背の低い海藻がグングンと生えて来ているのだけど。この青紫の海藻はかなり目を引く。あまりにも鮮やかだ。

アヤニシキは、小さい葉の頃はツルッとした光沢のある葉なのだけど、大きくなると網目状に切れ込みが入って扇状にひろがってゆく。
色も、濃い青紫から、ピンクの混ざった様な、柔らかい感じになってゆく。
場所によっては畳何畳かという広さで一面に生えている所もあるのでこれからが楽しみだ。

ただ、簡単にちぎれてしまう弱い海藻だ。
水深もほんの数メートルという浅い所に生えているので、大きく荒れたら見事な網目もぶっ飛んでしまうだろう。

網目になってるから弱くなってると思うのだけど、それまでして網目にこだわるのは何故なんだろう?
丈夫さよりも美にこだわったのか?














2011年6月19日日曜日

【6月19日:赤沢】 出会いの登り棒



6月19日
赤沢
曇り時々雨
気温22.5度
北北東の風1m
水温19~20度(表層)
   17度(水深20m以深)
透視度5~8m(表層)
    15~20m(水深20m以深)

まったくの穏やかな海面。すばらしい凪だ。
一層悪くなると思われた透視度はそうでもなく、悪くなると思っていたので納得のいく透視度だった。
ボートポイントで水深20m以上潜ると、すっぱりと綺麗な水に変わった。水温は17度とちょっと冷たかったけど、綺麗なので許される。透視度~20mというのは控えめな表現。たぶんもっと見えてる。




ビーチにはネコザメの子供が3~4個体くらいうろちょろしているようで、遠くへ行かなくても軽く見られる、とはいうものの、透視度が抜群ではないので、見過ごすことも、ある。
昨日は見過ごした・・・

ボートはサクラダイの群れを狙ってカメラ派のお客様とダイブ。
あ、イボイソバナガニの雄だ!と思ってサクラダイじゃなかったけどご紹介。
雄は鼻が長くてカッコイイ!
雌は良く見かけるのだけど、雄は雌20に1の割合位じゃないかな?




実は雄のすぐ下に雌がいて、ペアになってた。


宿るムチカラマツなんてそこらじゅうにあるのに、こんな小さな生物がよくも一本のムチカラマツでペアになれるものだと感心する。


いったい何時移動してるのだろう?夜の間に海底を歩いて、とりあえず次のムチカラマツに上ってみるのだろうか?


だとすれば、果てしない出会いの登り棒だ。











2011年6月14日火曜日

【6/14】 岩肌に顔あり…









6月12日朝。玄関のツバメの雛が飛び立った。


5月3日に最初の卵が産まれているのを確認してから40日ほど。

全部で5つの卵が産まれたのだけど、2つは別の雄に落とされてしまい、1つは孵化することなく死んでしまい2羽だけになってしまった兄弟ツバメだ。



その分、親から餌を貰う量が多かったのだろうか、少し成長が早かった様な気がする


前の日に、あまりにも成長して巣からはみ出していた雛の様子を見て、もう飛ぶんじゃないかと思ってたんだ。


次の日の朝、一羽いないのに気付いて、「あ、飛び立ったよ!」って言って、すぐに巣を見たら残りの一羽もいなかった。




飛び立ってくれて凄くうれしいけど、かなり寂しい…










そうしたらなんと、夕方になってツバメが2羽、巣の前にとまってるの。

この幼さ、そして2羽が寄り添うようにしている所を見ると、今日巣立った子ツバメで間違いないだろうな。


親なのだろうか?大人のツバメが止まり木にやってきたら、餌をねだるように口を開いてた。
やっぱり子ツバメなんだね。





6月14日

赤沢

曇り

気温23.3度

北東の風2m

水温19~20度(表層)18度(水深12m以深)

透視度7~12m(表層)15m~(水深12m以深)


前日はかなりウネリがあったので、荒れた分の砂と、大雨で流れた沢の泥っぽい様な濁りが入ってる。

見えないと言うほどの濁りではないのだけど、曇りで日が射してないので、イメージはやや暗いなぁ。


すこし冷たかったけど、水深12mほどからは荒れと雨に影響のない綺麗な水だった。表層がやや濁った分、スッキリ感があって気持ちいい。










ここのところ、淡水での魚類調査で山に通う日々が続いてる。淡水で、それも人工の湖だから、水の中はかなり殺風景だ。


切り崩した山の斜面と、伐採された木の切り株。道路やガードレールさえもそのまま残っている世界。もの寂しい人工の湖の風景に慣れると、伊豆の海がもの凄く賑やかで華やかに見える。


伊豆の海じゃぁ、この一枚の写真の中にでさえ何種類もの海藻が生えている。泳ぐ魚はもちろん、海藻に付いている小さな生物や、海藻の根元、岩の隙間にいる貝やらゴカイやら全てをチマチマと数えたら、全部で百種類ではすまないだろう。


ほんと、ここは凄いよ、生物にあふれてる。

あらためて驚いた。











ワカメはもうそろそろ終わりのシーズンだ。


赤沢では全てのワカメで葉が枯れてなくなり、ボロボロのメカブがかろうじて残っているだけになった。

これで、春が終わって夏が来る。



浅瀬では沢山のアメフラシが交接をして卵を産んでる。

「アメフラシ」の語源は“雨がよく降る時期に多いから”と聞いた事がある。

浅瀬で産卵をして、人の目によく触れる時期が丁度梅雨なので「雨降らし」というのだそうだ。だとすればちょうど季節通りだ。


最近では力尽きたアメフラシもよく見かけるようになったけど、まだ活発に産卵しているから、しばらく梅雨は続くんじゃないかな?

写真のアメフラシのタマゴは綺麗な紫色をしていた。

普通は黄色やオレンジ色なんだけど、紫ってものあるんだね。

なんで紫色なのかは不明、場所的なものもあるみたい。少しずつ調べようかな。




アメフラシと同じウミウシの仲間の「メリベウミウシ」のタマゴ。だろうと思う。たぶんね。

鮮烈な赤が波に揺られてとても綺麗。


海の宝石とも言われるウミウシの中でも、お世辞にも綺麗とは言い難いメリベウミウシだけど、卵は可憐だ。ウミウシのタマゴは形や色が様々で、それだけでも写真集ができそうなくらいだ。


ちなみに右上に写っている茶色と青のマダラがメリベウミウシ本体。








この写真にはオニカサゴが写ってるの。

左下が頭で、右上尾鰭。

いやいや、見事な岩具合だ。





このオニカサゴ、お腹がパンパンだったんだ。

産卵を控えた♀なんだと思う。

はち切れそうなお腹を、失礼して後ろから撮ってみた。

あまりにもお腹パンパンなので、産卵行動をするんじゃないかと思って、このあとビデオを持って同じ場所に行ってみた。



もしかして雄が来ていて、仲良く寄り添ってたりするかなぁ。などと妄想をふくらますも、見事にハズレ…

オニカサゴ妊婦さん自体いなかったんだねぇ。。。




さて、じゃぁ何を撮ろうかな?とあたりをうかがいながら海中を彷徨っていると、ふと目に留まる岩陰。





こ、これは。

天狗?

大きな鼻。頭に乗せたあの被り物。キリッとした目。
頬紅までしてあって、よく見るとうっすらと髭が生えてもいる。

これは天狗様の顔でしょ!




と、いっても正体は、「ホヤ」。



ベニボヤというホヤの仲間で、このときのサイズは3センチほど。


岩肌にたくさんいるんだけど、天狗の顔をしているのはなかなかないんだなぁ・・・(笑)



正面顔は今一歩、でしょ。





想像力をフル活用して捜してみてね。



ベニボヤのほんのり赤い体にある、青いスジや点々は、蛍光に光ってとても綺麗ですよ。











































2011年6月4日土曜日

【6/2:赤沢】 2つの頭を持つ魚?





前回見た、ふたつの尻尾を持つ魚の謎を求めて海へ出なければいけない。

尻尾がふたつあるなんて、生物学的には大変なことだ!

と、意気揚々と潜水したら、なんと!お尻から小さな頭が生えているではないかっ!


これは凄い、ふたつの尻尾どころか、ふたつの頭を持つ魚だ。

ノーベル生物発見賞でも貰えるかもしれない。


さかな君さんもビックリだ!




6月2日

赤沢

雨時々曇り

気温14.8度

北北東の風2m

水温19~20度

透視度8~13m



「卵の大きさ」というのは非常に謎につつまれてる。



1ミリにも満たない様な小さな卵から誕生した子供は、極々小さくて上手に泳げない。

そんな小さな魚は、大概の場合簡単に誰かに食べられてしまい、生き残って大人になれるのは、ほんの何匹かだ。1億個の卵を放出したとしても、生き残るのは1匹だけかもしれない。

小さくて未熟な生物にとって、広い広い海の中は、あまりにも敵が多すぎる。



孵化した状態で十分に泳げて、敵から逃げる事ができれば、生き残る確率は確実に上がる。


それには大きな卵でなければいけないので、どうしても沢山産む事ができなくなる上に、孵化までの時間もかかってしまうだろうから喰われるリスクも高くなる。スーパーコンピューターを持っていない生物達にとって、大変難しい選択だ。

コンピューターを持ってても選択は実行に移せないんだけどね…



選択の難しさは生物の卵を見るとなんとなくわかる。

体長3mになろうかというマンボウの卵の一粒はタラコよりも小さく、何億という数を産む。


でかい体だから、数センチの仔魚を数千くらいは産めそうだけどそうはしない。小さくても喰われても、とにかく遠くへ拡散しようという戦略なのだろうか、マンボウは「数撃つ」系のカリスマだ。



オキタナゴの子孫の残し方はその逆。


体長10センチ少ししかない魚が、大きな卵を少数産むという生き残り理論を超越し、お腹の中で卵孵化させて完全に大人の状態になった上で産み落とそうというのだ。


仔魚の大きさは3センチほど、その数、わずかに数匹~数十匹。



産まれた仔は、世に出た瞬間に見事に泳ぎ出し、敵から逃げ、餌を探せる。

ミリにも満たない魚と比べれば、生存の確率は格段に上がるだろう。










卵胎生の魚はオキタナゴ以外にもいて、身近なのは、ドチサメやヒラタエイなど軟骨魚類と言われるサメやエイの種類には多い。多いと言っても、何千種といる魚の中では少数派だ。


魚の出産シーンを、人間が実際に目で見ようとするのは、相当難しい事なんだ。




オキタナゴの出産は水深10mほど、ダイビングのライセンスがある人なら、まずその場所までは行く事ができる。


もちろんタイミングの問題はあるけどね…




産まれる瞬間に出会うと、なんか「海は広いなぁ…」って思えるかも、「元気をもらった!」っていう人もいるしね。是非こういうのは本物を見てほしいな。






ちなみに、この出産の映像は全てのカットを1回のダイビング、ちょっと粘って70分以内での撮影。


来週末まで産んでるかどうかは…わからない。











2011年6月1日水曜日

【6/1:赤沢】 2つの尾を持つ魚



台風2号崩れの低気圧が通り過ぎた。
玄関のツバメ達は無事に乗り切って、最近は可愛い声で餌をねだって頭を上げるようになってきた。良かった良かった。
と、外で「ギャーーッ」っとでっかい声で鳴いてる鳥がいるかと思ったらイソヒヨドリの子供だ。まだ巣だって間もないんだろう、あまり飛ばないで地面を歩いてる。悪ガキっぽくて可愛い。。
間もなく母鳥が来て、餌をもらって一緒に飛んで行った。
最近は窓からバードウォッチングがブームのアクアティック・プロ。





6月1日

赤沢

曇り

気温15.1度

北北東の風2m

水温20度

透視度8~15m




まだ東からのウネリは残っていて、北東向きのポイントはクローズ。八幡野の港も若干東向きに開いてるからだろうか、クローズだったようだ。

赤沢は港内、港外の部分は穏やか、底揺れもほとんどなかった。



なんと、荒れた後の海は暖かくて綺麗になってた!。水温20度だ。


この冬は水温があまり下がらなかった割には、ずーーーーっと15度が続いていたので、待ち遠しかった水温上昇だ。しかも良い所では15m近く見えてる。







海の天使が舞い降りたのか、なんとホワイトなカエルアンコウがいた。

気分は盛り上がる!




が、普通のブログじゃ面白くないので、あえて綺麗な話題では無く、地味でキモい話題にしてみよう!








さて、岩の隙間を覗いたらショウジンガニ。

よく真っ二つになって味噌汁になって出てくるカニだ。


沢山いるカニなので、あえて話題にする事はないカニだけど、今日のショウジンガニはお腹が開いてた。




「ん?卵か?」




いや、いや違う。


あれだ、あれだよーーーーーーっ




ショウジンガニのお腹のフンドシの部分にある黄色いもの。これはカニの卵じゃなくて「フクロムシ」という寄生生物だ。


あーここまで書いただけで頭の毛穴が広がるのがわかる…




フクロムシは半透明な袋に黄色い糸の様な物がいっぱい詰まってる。だけの生物。目立った器官は、ない。


根のような糸がカニの消化器官に入って行って養分を吸収する、さらに寄生したカニの生殖能力を止めることで自分への栄養供給を減らさない様にするという根の回しよう。もちろんカニは死なない。

宿主を殺さないのは寄生のお手本だ。



フクロムシに関する情報があまりないのだけど、この袋状になったものは雌らしい。雄は極々小さくて、雌の袋の中に入り込んで、そのまま精巣になるんだそうだ。




あー寒い。興味はあるんだけど結構苦手だ。




フクロムシのもっとアップの写真があるのだけど、載せるのはやめとく。


見たい人は言って下さいませ。









でね、そのショウジンガニにくっ付いてる別の生物。


ニョーっと糸が広がっている奴。


「ムラサキハダカエボシ」っていうフジツボの仲間で、ショウジンガニとかイセエビとかによくくっ付いてるの。糸みたいに見える触手を「ニョー、ニュー」って出し入れして餌を獲る生物なんだけど、白い所が目だとして、顔みたいに見えないかな?


僕としてはナウシカの巨神兵に見えるんだけど、どうだろう?


ウルトラマンの顔をしたホヤの仲間を「ウルトラマンホヤ」なんて言たりして流行ったけど、これはエビカニにくっ付いてる巨神兵フジツボ。


って思ってるんだけどなぁ。

ちなみにこいつに関しては毛穴はひらがらない。かわいい。




フクロムシやムラサキハダカエボシはカニやエビが脱皮するってのを知ってるのかな?


せっかくくっついた宿主さんの体、脱皮すると自分も脱ぎ捨てられちゃうんだよね。



脱皮した抜け殻にくっ付いてるムラサキハダカエボシを見ると、巨神兵の口が動いてなくて、もう死んでるものがほとんど。


もしかして脱皮をするってのは承知の上で、それまでに子孫繁栄を間に合わせて、タイミング良く死んでゆくってことなのかな?若いカニは脱皮の間隔も早いだろうに、さすがに宿主の年齢まで選んでないだろう…と謎が深まる。









ついでだからキモス系連発だ。


なんと今日はテヅルモヅルに2回も出会ってしまった。ボートポイントの平島の方はたまに見るんだけど、港側でみるのは珍しいな、それも2種類。たぶん2種類。












テヅルモヅルはクモヒトデの仲間だ。


ワシワシと枝分かれした植物のようだけど、枝別れの元は5本の腕、ヒトデといっしょだね。

二つのテヅルモヅルは明らかに違う種類に見えるけど、これが何テヅルモヅルかっていう種類を調べるのは、これがまた資料が少なくて大変なんだな。


今日は深追いはしないでおく。




写真じゃテヅルモヅルの凄さは伝わらない。







いやぁ、海ってすごいね。

何でもアリだな。








久しぶりに綺麗な海の中。
オキタナゴの群れが増えた。銀色の体できれいな魚だ。







オキタナゴをよく見たら、尾鰭が1本多い奴がいるよ!

小さいけどお腹の方に、間違いなく尾鰭が付いてる。



これは凄い、4本足の鳥、2つ頭の蛇に匹敵する2尾の魚の発見だ。

ナニコレ珍百景とベストハウス123に投稿しないといけないので、明日はビデオを持って追跡しよう!