2012年2月28日火曜日

1000年



伊豆は思いのほか歴史が深い。

伊東の市街地にある葛見神社は、派手さのまったくない、実にひっそりした神社だ。
この神社の歴史は、あまりにも古すぎて創建年代はわからないそうだが、だいたい1000年、と言うような歳月がちらつく。





葛見神社の境内には物凄い大木がある。
樹齢は推定1000年以上。昭和8年に国指定の天然記念物になっているという大クスだ。

少し離れて見ると、正直、木には見えない。
一本の幹が上に伸びていると言う木のイメージとは全く違う、なんだか塊の様な様相で、まるで岩みたいだ。
「これが木なのか?」と思うけど、上を見上げると、確かに枝があって葉が茂っている。確かに、木だ。

台風などで、結構大きな幹が折れたりしているらしく、周囲が15mあるという根元の大きさの割には上への広がりが無い様子だ。いくら植物が長生きとはいえ、1000年というのは長い時間なんだろう。

「1000年かぁ」と思って見上げて見るけど、1000年がいったいどれくらいなのかは、よく分からない。
せめて目の前の迫力を写真に撮ってみようと思ったけど、そんなもん全く写るわけなかった…
写真で1000年は伝わらない。


2012年2月24日金曜日

茶の湯の精神


24 February 2012
Akazawa IZUpeninsula
Cloudy fine later
Temperture 12.8
Wind ENE 2m/sec
U/W temperture 15.0
Visibility 10~15m

10時過ぎに見事に晴れてきた。
見上げると、空に1本線を引いた様に曇りと晴れが別れていて、わかりやすく気持ちのいい曇りのち晴れだった。今日は3月下旬の暖かさだったそうだけど、3月って暖かかったけな。と思う。

昨日のツボダイ幼魚(?)。残念ながら今日は会えなかった。
もう少し会って話をしたかったんだけど、“思えば思うほど会えない”の法則全開である。
かわりにヨコスジイシモチには会えた。多分去年のブログにも書いた奴だと思うのだけど、ちょっと場所が変わって砂地のロープの下にいた。よほど赤沢が気に入ったらしい。
今日のゲストは数百本潜りこんでいる方だったので、地味な魚ながら喜んでもらえたようだ。

じっくりと地味に楽しんで頂ける方だったので、石の下に棲む生物などを紹介してみる。
何もいない様な海底でも、ビックリするくらい生物は棲んでいるもんだ。
写真の生物は、最初はウミウシの上にアワビの稚貝が乗っかっているのかと思ったんだけど、よく見るとひとつの生物だ。
「思いっきり貝からはみ出しちゃってます系」といいうことで、スカシガイ的なカテゴリーだろうと思い調べてみると、「アシヤガマ」という貝だった。

「アシヤガマ」はPCで変換すると「蘆屋釜」という漢字になるのだけど、これは茶の湯の釜のことらしい。「なるほど、アシヤガマという名前の由来は茶の湯の釜か」と思って見てみると。

-----コトバンクより引用-----
あしや‐がま 【×蘆屋釜/×芦屋釜】
茶の湯の釜で、室町時代を中心に、現在の福岡県北部の芦屋で作られたものの総称。特に、永正(えいしょう)以前のものは古芦屋とよび、珍重される。
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こうなると、この巻貝の様なウミウシの様な中途半端な奴も、なんだか由緒正しく思えてくるのだけれど、どうも蘆屋釜に似ているようには思えない。
結構なんとなく的な名前のつけ方なのかもしれないとも思えるのだけど、もしかしたら奥の深い話なのかもしれない。
とかなんとか考えるのは、割と嫌いじゃない。



2012年2月23日木曜日

ツボダイの幼魚?


23 February 2012
Akazawa IZUpeninsula
Reiny
Temperture 9.4
Wind S 1m/sec
U/W temperture 15.8
Visibility 15~20

今日は雨。昨日の夜からずーーとシトシトと降り続いていた。
これだけ雨が降ると、沢から濁った水が海に出て来るか、港内の表層は相当な真水になってるんじゃないかと想像したのだけど、そうでもなく綺麗な海だった。
午前中は北風だったので、赤沢では風波も無く、しっとりと穏やかな海面に雨が降っている。
水中から見上げる雨はとても綺麗だ。雨が降ると、「今日はどんな水面だろうか?」と楽しみになるくらいだ。

春のサインを捜して潜っていると、何やら見慣れない魚と出会った。
ゲストには、「多分大きくなると深い海に行く魚の子共じゃないかなぁ…」と伝えてみるけど、何の根拠もない。名前も思い浮かばない。ゲストがパシパシと写真を撮っている間に、僕も横から写真を撮っておく。「名前知らないなぁ、これはあとのお楽しみ」。にしておく。



シルエット的にチョウセンバカマみたいだったので、チョウセンバカマの幼魚かもしれないなぁ、なんて思って図鑑を見てみると、幼魚は結構な模様がある写真ばかりだ。大人になると模様は無くなるので、「早熟なチョウセンバカマ幼魚」とかナントカしておこうかと思ったのだけど。なんとなく納得いかないのでもう少し調べてみた。

尻ビレの硬い骨がピョーンと出ている所なんか、チョウセンバカマ的なんだけど、「ツボダイ」という魚も似てる。というかツボダイ的だ。

「ツボダイ。か、あんまりカッコ良くない名前だ…」。と思ったりする。
すごく捜してた魚が、図鑑の結構前の方のページにあったりするのと同じ様なガッカリ感だ。
「ツボダイ」はイカしてない。。。

でもまぁ、仕方なく、ヒレの骨の数を見てみたりする。
チョウセンバカマの背びれの軟条(背ビレの前の硬い骨じゃなくて後ろの方の柔らかい骨)の数は11。ツボダイの軟条は13~15。とのこと。この荒れ荒れの写真を拡大してヒレの数を数えて、12本以上であればチョウセンバカマでないことが確実になる。

で、がんばって数えてみたら、15だった。これでチョウセンバカマでないことが決定。
さらに「クサカリツボダイ」なる魚もいて、幼魚はこの魚に似ている感じらしいので見てみると、こちらは背ビレの棘(前の方の硬い骨)の数が13~14で、軟条が8~9ということでやはり当てはまらない。

『日本産魚類生態大図鑑』によると。
  ツボダイ カワビシャ科 
  水深100~400m 
  主に釣りで漁獲される。幼魚は表層にすみ
  10cm戦後に成長すると底生生活に移る。 
  分布:南日本、九州パラオ海嶺北部


うーむ。底生生活に移ったツボダイってところなのかな?随分と南の方の分布になってるけどなぁ。九州パラオ海嶺ってどこだ?

これ以上は現状ギブアップ。
とりあえず、大人になると深い所へ行ってしまう魚のカテゴリーの様ではある。

しばらくは浅瀬をうろうろしていそうな気配だったので、また会って直接聞いてみたいと思う。