2011年7月31日日曜日

【7月31日:赤沢】 水深5センチ

7月31日
赤沢
くもり
北北東の風5m
水温24~25度
透視度10~15m

なかなか夏が復活しない。でも海が穏やかなんだから良しとしよう。最高に天気はいいけど海は大シケ。というよりはいい。

北東の風なので南向きの赤沢は鏡のように穏やかで、波の音がまったくしない。
これだけ穏やかなのも珍しいだろう。水面に雨がポツポツと落ちているのがよく見えた。




膝くらいしかない浅瀬の、水面際でフラフラと泳いでいたのはナンヨウツバメウオの子供だ。
夏から秋にかけて見られるようになる魚で、一見して枯れ葉のようにしか見えない。
何日か前に見かけていたので、いると知っていて捜したのだけれど、水面には同じ様な枯れ葉がたくさんあったのでちょっと苦労したくらい、姿も枯れ葉なら、泳ぎ方も枯れ葉なんだ。

毎年水温が暖かくなるとやって来るのだけど、例年同じような場所にやって来る。
中には超ピンポイントで現れるので、なんだかちょっと背筋が寒くなるような、怖くなる時がある。





せっかくスキューバを背負っているのだけど、そんな機械はいらないくらいの浅瀬だ。
逆に、そんな水深にいるからダイバーは気が付きにくい。
足ヒレを履く水深でさえ、もっと深いからね。

そんな誰にも気付かれない生物は、もっともっと沢山いるはずだ。
何に気付いてないのかに気付くには、何でも見てみる広い視野が必要だな。











2011年7月30日土曜日

【7月30日:富戸】 洞窟探検隊


7月30日
富戸ヨコバマ
晴れのち雨
気温27.5度
北北東の風3m
水温24~26度
透視度8~13m

朝はいい夏の天気だったのに、3時ころになったらぽつぽつと雨が降ってきた。
今は結構降ってる。
夏よ再び!と思ったのに、少し足踏みだな…

海はとっても穏やか。
風もなく、雨の模様がグラデーションになっていて綺麗だ。
こういうしっとりした雨は、嫌いじゃない。

透視度は超抜群!から良好。くらいになってたけど、水温は温いままだ。
今日は初ファンダイビングのグループのお客様だったけど、春にドライで講習した後だから、動きやすいし暖ったかいし、ダイビングが別物のように思った事だろう。

今日は穏やかだったので富戸ホールへ突入してみた。
潜る前に「洞窟探検しますよ!」というと、ナイスなリアクションがあるので楽しい、もちろん、穴の詳細は説明しない(笑)
目の前に行って「入っていいよ」と、自分で入ってもらうと、みんな喜んで突入してゆく。
まぁね、正直すごく小さな穴なんだけど、自分が先頭で入ってゆくのは、ちょっとワクワク感が楽しめるはずだ。
ダイビングは冒険だからね。ワクワクしなくちゃ。








透視度が落ちたとはいえ、いいコンディションだ。

いつもより進むスピードが落ちて、のんびりと泳いでいる気がする。


イソギンチャクゾーンでは、クマノミが産卵をしているシーンに出会った。

今まさに産んでいる状態で、オレンジ色の卵が綺麗だ。

これから、育ってゆく卵も楽しめるだろうな。





2011年7月28日木曜日

【7月28日:富戸】 海が、温い。


7月28日
富戸
くもり
気温27.5度
西の風2m
水温26度
透視度15~20m

大学生のダイビング合宿3日目。昨日は、11名の若者がダイバーの仲間入りを果たした。
続けて今日は富戸でダイバーデビュー。先輩達も含めて総勢30名近くの賑やかなダイビングだ。
デビューにふさわしく、富戸にお海はどこまでも見える様な素晴らしい透視度と、温いくらいの26度。
色々な魚の幼魚が見られて、生物もぐっと賑やかになってる。



最近は両手でハートのマークを作って、「かわいい!」というサインが流行ってるようだ。
ネコザメの子供も「かわいい!」。ハコフグの子供も「かわいい!」。チョウチョウウオの幼魚も、「かわいい!」
ハートのハンドシグナルが炸裂しまくりだ。

「そうだね、かわいいよね」と、僕もハートのサインを返してみたけど、なんだか気恥ずかしかった。我ながら、おっさんには似合わないサインだと思う…








2011年7月26日火曜日

【7月26日:赤沢】 海は、蒼い。


7月26日
赤沢
雨時々曇り
西南西の風2m
水温24~25度
透視度8~15m


台風が通り過ぎてもウネリの残る週末だったけど、月曜からは穏やかになった。
水温は25度もあり、青く透き通った気持ちのいい海だ。

昨日からは学生たちのダイビング合宿が始まった。
ダイビングの最初の一歩で、こんな青い海に潜れるのはラッキーだな。




ムスメウシノシタの、まだ透明な幼魚。1センチもないくらい小さい。

いつもの岩の、いつもの隙間に、また現れた。
ここにいったい何があるというんだろう?








2011年7月23日土曜日

【7月23日:赤沢】 台風明け解禁


7月23日
赤沢
晴れ
気温26.7度
北東の風2m
水温23度
透視度5~10m

台風明けの土曜日。
少々ウネリはあるものの、ちょっと潜れば揺れないと言う不思議なコンディション。なんでだろう?

スクールなので浅瀬をみっちりと潜っていると、ボラをクリーニングするイシガキダイの子供を発見。
イシガキダイもクリーニングするんだね。

ちょっと痛そうにしているボラだったけどまんざらでもない様子。
足つぼマッサージ見たいなもんなのかな(笑)








2011年7月19日火曜日

【7月17日:川奈】 海中でグレート・カブキに出会った


本日は大荒れ、体験ダイビングのお客様がいらっしゃいましたが中止とさせていただきました。また海が良い日に、ね。
週末までにはなんとか抜けそうな感じしてます。
それまでは、海は無しだな。


7月17日
川奈
晴れ
気温31.5度
南南東の風3m
水温19~23度
3~10m

16日は赤沢。
すでに台風のウネリはやや到着しつつあり、でもなぜか15日程ではなかった。まぁ揺れるけど、いいかなぁ、という感じ。
なぜか15日より水温が上がって、港の出口で23度を表示していた。






アオリイカの産卵床は設置から随分と時間が経ったけど、ここに来てようやく産卵が活発化。
大きなアオリイカが2ペアー産卵に来ていた。



今まではボチボチの産卵だったので、僕はタイミング悪く産卵に出会ってなかった。今シーズン初のアオリイカ産卵に夏を感じる。
とか言いつつ、台風はもの凄い勢いで近づいてる、たぶんこの産卵床も吹き飛ぶだろうな。無くなったら、また入れなおさせてもらおう。



17日は南からのウネリも強くなってきそうなので、北向きの川奈へ。



赤沢の海底はサラサラの細砂で泥はほとんどないけれど、川奈は割と荒目の砂でかなり泥が混ざる。棲む生物も全く違う。ムラサキハナギンチャクは、赤沢ではお目にかかれない。セイテンビラメやフジナマコも川奈ならではという感覚がある。



ウミヒルモがたくさん生えているのも特徴だ。



海藻が「藻」の字を書くのは胞子で増えるから、大概の種類は胞子で増える“海藻”なのだけど、アマモの仲間は花が咲いて種子で増えるので「草」の字を書く“海草”だ。



川奈のウミヒルモももちろん花が咲く。水中に咲く質素な花を見るのも面白いね。










これは、オニゴチ、かなぁ。この辺のコチは難しいなぁ…



種類が、というよりもコチは目の模様が面白いの。



この目はまつ毛みいたいになってるでしょ。瞳も濃い紫のような深い輝きでアンティークジュエリーみたいで、これが魚の目だなんて、なんか不思議でしょう?







コチの種類によってまつ毛の種類も違うんだよね。動きまわる魚ではないので、そーっと近づくと結構寄って見られるので試してみて。





しかし、見えにくくないのかねぇ…








さて、赤沢で「どうも岩の上にサザエが登ってるなぁ」、と思ったら緑の霧をシュパーっと噴き出した。まさに噴出!。


わかる人にはわかる「ザ・グレート・カブキ」状態だ。もちろんグレート・ムタでもいい。

グレート・カブキは毒霧だったけど、サザエが噴き出したのは毒じゃぁなく、卵。毒どころか命の元だ。
放出された卵は、同じく放出された精子と海中で出会い、受精する。
サザエの場合、精子の放出も同じタイミングにしないといけないのだけど、これが見事に同じタイミングになるんだ。

ふと辺りを見ると、幾つかのサザエが同時に放卵と放精を行っている、という状況になる。
折り重なるようになっている訳ではなく、数メートル離れて岩を隔てたような状況でもタイミングはわかるらしい。
カレンダーや時計も無く、携帯もないのに、いったいどうやってタイミングを見極めるのだろうか?
こんな小さな巻貝が、潮の満ち引きのタイミングを正確に感じ取れるのだとすれば、人間はまぁ退化しすぎたもんだなと、なんだかガッカリする。

今回はあまり大規模な放精放卵では無かったけど、見られて嬉しかった。
まぁ一番喜んでたのは僕だけど…
だって、滅多に見れないもん。

皆さんに教えて、動画も撮らなきゃー!!って、半ばパニック状態(笑)
「これは産卵なんだよ」「こっちは放精」ってボードに書くのが精いっぱいで、「ザ・グレート・カブキだ!」なんて洒落を入れる余裕はなかったな。

書いても若者には通じなかっただろうけどね…


【お知らせ】
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先月のブログにアップしたオキタナゴの出産映像の一部が放映されるとになりました。
元ブログ→http://this-izu-it.blogspot.com/2011/06/62.html
宜しければどうぞご覧ください。

 7月31日 19:00~19:58 日本テレビ系列 「鉄腕ダッシュ」
  http://www.ntv.co.jp/dash/contents/coast/index.html

何げない生物の行動も、見方を変えれば素晴らしい生物の神秘なのです。
今後も、真面目にコツコツと海の様子を記録したいと思います。
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2011年7月11日月曜日

【7月11日:赤沢】 流れる魚の巣


玄関のツバメたちは卵から孵化し、ポヨポヨの可愛い顔を出すようになってきた。
この巣は今年2回目の雛誕生。
1回目は他の雄ツバメに卵を落とされてしまい、5個の卵があったのに巣立ったのは2羽だった。
今回は5個の卵があるのは確認はした。その後は親鳥がキッチリ交代で巣にいるので巣の中を覗けてないのだけど、3羽が顔を出すようになった。
ポヨポヨ頭も暑さでダレているようで、かなり可愛い。









7月11日
赤沢
晴れ
気温32.3度
南南東の風3m
水温 21度(表層)17度(水深20m以深)
透視度7~10m(表層)15~20m(水深20m以深)

表層の水温は21度。それでも、時折「ヌルッ」とした暖かさを感じる事がある。
21度よりも高い部分があるのだろうけど、僕の水温計は即座に反応しないので暖かい部分の温度はわからない。恐らく22度以上があるのだと思う。




冬から春にかけて、磯の浅瀬を覆い尽くすように生えているホンダワラ系の海藻。


枝に浮袋を持っているので、海底から立ち上がるように生える海藻なのだけど、枯れて千切れると水面に浮きあがって漂うようになり、「流れ藻」と言われる。


茶色い枯れ草の様なものが海面に浮いているので、一見すると汚いゴミの塊に見えてしまうのだけど、よーく見ると小さな魚が隠れていることに気付く。


アジやブリ、イシダイ、カワハギ、メバル、メジナ、カエルアンコウやカニの子供まで流れ藻に棲んでいるそうだ。流れ藻の重要性を解明する為に、専門の研究もされている。


流れ藻は鳥の巣と同じなんだね。大海原を飛べるようになるまで過ごすということだ。



「なんか浮いてて汚いね」なんて言っている場合じゃぁない。豊かな海の始まりが目の前で見られるチャンスだ。




2011年7月10日日曜日

【7月10日:赤沢】 すでに真夏


7月10日
赤沢
晴れ
気温33.2度
西の風3m
水温20~21度
透視度7~13m(表層)


土曜日、日曜日と穏やかで夏の海だった伊豆。
気温が高い分、海の水が冷たく感じるのかな。海から上がって風に吹かれて、「ちょっと寒いね」なんて、最高に贅沢なセリフだ。




砂地ではテンスの幼魚が出始めた。
夏から秋に多い魚だ。
まだ1センチ程度の小さなテンスが、枯れ葉に似せるように砂地を泳ぐ様子に、本格的な夏を感じる。

土日は、ちょっと久しぶりのスクール。
生徒さんと一緒にゆっくりと、それはそれはゆっくりと泳ぐと、潜りなれた海でも新しい発見をすることがあって楽しい。
初めて潜る人には、なおさら新鮮な世界だろう。
水の中で息が吸えていられるのだから、画期的な出来事だ。



「すごく楽しかった!」と、笑顔で言われると素直にうれしい。
海の中は楽しいのだと、もっと多くの人に伝えたいな。












2011年7月7日木曜日

【7月7日:赤沢】 七夕の出会い


7月7日
赤沢
気温23度
西南西の風7m
水温20度(表層)
   18度(水深10m以深)
透視度7~15m(表層)

今日は涼しい、時折雨の降る曇り空だ。
10時過ぎにかなり強く南西の風が吹いたけど、潜っていたので気付かなかった。10m潜ると揺れはほとんどなかった。
透視度は随分とパッチ状になっているようで、うっすら白濁ってるなと思ったら、あれ?青く抜けてるじゃん。と思ったり。暖かくて濁っている水と冷たくて綺麗な水がパッチ状にあるのではなく、暖かい水の中でも透視度の良い所と悪い所があるようだ。





ふと上を見たらメジナが超大量に群れてた。釣り人が見たら喜ぶだろうな…
普段からメジナが多い場所だけど、うっすら濁っていたので泳ぎたい気分だったのかもしれない。


「コンパクトデジカメでうまく写真を撮るにはどうしたらいいですか?」と聞かれた。
僕はビデオのカメラマンなので、静止画のことはあまり詳しくはないのだけど、いつもやってるチカラ技をアドバイスしたら納得してくれたので、調子に乗って紹介してみよう。








普通に撮った写真


カメラを逆さにして撮った写真。




コンパクトデジカメってストロボの位置が固定なので、光が当たる方向を選べないのだけど、カメラを逆さまにすれば反対側から光が当たることになる。


上下は後から直せばいい。ビデオでこんなことしたら編集が大変なことになるのでしない。










岩に舞茸が生えているように見えるけど、もちろん海の中に舞茸は生えない。







それに、この舞茸は柔らかくない。カッチンカチンだ。


これはコケムシというカテゴリーの動物で、まぁ平たく言うと珊瑚みたいな感じで、硬いボディーの表面に小さなポリプがいっぱい棲んでいてプランクトンを捕まえて食べている。というものだ。


ただ、珊瑚ではなくて、あくまでコケムシはコケムシ。
綺麗なオレンジや網状のピンクなんていう仲間もあって、可憐な感じで綺麗な海の生物だ。







良く見ると表面に細いホウキみたいなのがびっしりと生えてる。これがポリプ。


これは、思いっきり近づけて撮ると端っこの方で光ったストロボの光が後ろから反射して逆光っぽく撮れる、というチカラ技。




勝手に自分で技って言ってる気がする(笑)


かなり古い融通のきかないデジカメを使っているので、色々工夫してるってことでございます。





僕のカメラで工夫しても撮れないのがこれ、アメフラシ系。


今日は通称ジャンボアメフラシの交接を撮ってみたのだけど、やっぱり撮れない、なんだか分からない。色合いが地味な被写体は撮れない確率高し…




あれこれやってみて、撮れないものは撮れない!と諦めるのもチカラ技の一つ。けっしてカメラを買い替えたりなんかしない。10万円あったらミニDVテープが500本も買えてしまう。





アオウミウシの交接を見て、「あぁ今日は七夕なんだな」と思い出した。


あまりにも広い海の中で7月7日に出会ったアオウミウシ2匹。というのもロマンチックでしょ。今年も星空は見えそうにないけど、これでもう十分な気分だ









ロマンチックだ。と言いつつ…


ウミウシは雌雄同体。雄も雌も持っている体なので、出会った誰とでも交接できる。まんなかでパイプが繋がっているように見えるのが交接だ。




ウミウシは元々は巻貝で、交接するためのパイプは体の横にある。右巻きの貝は右側にパイプがある。


このアオウミウシも右側のパイプを繋げるために、必然的に前後の向きが逆になっている。




右巻きの巻貝から100%右巻きの子供が生まれるということではないようで、何%かは左巻きもいるらしい。でも、結局の所右巻きが多いのは、このパイプうまく繋がらないかららしい。


左側にパイプがあるアオウミウシと右側にパイプがあるアオウミウシとでは、前後が逆になったらパイプはつなげられない。「あっそうか、反対側にしてみよう」とお互いに思わず、向き優先、ということだろう。

右巻きから生まれた数少ない左巻きは交接が出来ずに子孫を増やせず、ますます右巻きが増えてゆくと言う結果になる。

でも…


もしかしてもしかすると、あまりにも広い海の中で、偶然出会ったアオウミウシの、更には左巻き同士のアオウミウシが交接しているという所に出くわすこともあるのかもしれない。


アオウミウシの交接自体はそれほど珍しいものではないけど、そう思うと気になってくる。





























2011年7月6日水曜日

【7月6日:赤沢】 夏の予感


7月6日
赤沢
晴れ
気温29.9度
南東の風2m
水温20~22度(表層)
   16度(水深15m以深)
透視度7~10m(表層)
    25m以上(水深25m以深)


昼ころにやや力のありそうなウネリが出てきた。海は刻々と変わる。
水温は相変わらずぼやっとした2層になっていて、今日の午前10時のボートポイント4番では、表層は22度、超表層は23度ある。水深15mでは、すでに水温16度でキッパリと透き通った水が来ていた、25mを超えるとどこまでも見える様な怪しい青い世界だ。

そこそこの透視度なのでカメにも出会えた。また0番ポイントあたりだ。大きさ的には前に出ていたカメと同じくらいだけど、今度は甲羅に白いポイントがあったので違うカメだろうか。


陸上は真夏のようだけど、僕は6.5ミリのカブリのウエットスーツ、というかほとんど水の入らないドライスーツ状態なので余裕で楽しめるけど、ボートをリクエストする方はそれなりに対処して来てくださいね。
まぁ表層は暖かいので上がるとホッとできるのだけど、22度からの16度は結構シビレるのであります。









ボートポイントの斜面では久しぶりに良い型のムツの群れを見た。


ブリの子供の群れも良く見るようになったし、タカベの群れも舞って、赤沢特有の食用魚の群れが戻ってきた感じだ。


定置網も魚が獲れて活気づいているらしい、夏に向かって盛り上がる様でうれしくなる。







海底からピョーンと一本伸びた怪しく青い紐。


釣り道具のゴムのようだけど、これはゴミじゃなくて海藻。「フトジュズモ」という海藻だ。









まったく枝の分岐はなく一本。


節の用になっているのは細胞が繋がっているんだ。


海の中の竹みたいだけど、竹よりも真っすぐで横道にそれない。一本通り過ぎた海藻だ。


これも初夏が旬。



近くで撮ると青白くならないのはなんでかな・・・?






これも夏が旬。イボニシという巻貝の集団産卵。


黄色いのが卵で、まわりのコロコロしたのがイボニシだ。ここに集まっているイボニシ達は小さなフジツボが不着してるね。






港の壁面などで産卵しているところをよく見かけるけど、これはボートポイントの水深13mほど、外洋に面した斜面の岩だ。


浅瀬の岩陰なので産卵するイメージが強かったのでとても意外だった。




イボニシの誰かが産卵し始めると辺りそこらじゅうからイボニシが集まるのだろうか?ざっと見ても100はある。












携帯も町内放送もない世界で、一か所に集中できるというのは、なにげに不思議だ。


化学物質的な信号を出しているのだろうけど、よくもまぁピンポイントである一か所に集合出来るものだと思ってしまう。










































2011年7月3日日曜日

【7月3日:赤沢】 泣かせる擬態


7月3日
赤沢
晴れ
気温30.1度
南東の風3m
水温20~22度
透視度7~13m

午後少し南東の風が強めに吹いたけど、体感温度を下げる程度に気持ち良く、水の中は穏やかだ。
港内の浅瀬では水温22度を指して、海の中の生物はなんだか忙しそうなくらい、色々と右往左往している感じだ。
なかなか産卵しなかったアオリイカの産卵床に、真新しい卵が産みつけられてた。
ほっと一安心、今年の産卵床がアオリイカに嫌われた訳じゃなかったみたいだ。産んでいるシーンを見られる様になるのも、もうすぐだろう。




港内のウスユキミノガイは大きくて赤みが強く、とても立派で見応えがあった。
写真だと昇る太陽の様に見えるけど、このままの状態でジェット噴射で泳ぐ貝なので見応えがある。








浅瀬で良く見かけるクツワハゼ。

岩の下に産卵するシーズンだ。近づくとサッと岩の下に逃げ込む様な動きがある場合は、その岩の下に卵がある確率が高い。






なんだか今年はカエルアンコウのフィーバー年のようで、やたらとカエルアンコウを目にする。

僕が紹介しなくても普通にゲストが見つけるくらいなので、もはや普通種に近くなってる。ダイバーには根強い人気のカエルアンコウだけど、あまり増えすぎると株価が下がってしまうなぁ…







前回のブログでか「ベニシボリの卵かと思って探ったらカスミミノウミウシだった」。というのを書いたので、そういった砂×ウミウシ系のリクエストを頂いた。

ところが、今日当たったのは本命のベニシボリ。リクエスト通りにはなかなかいかないものだね。

おそらくペアであろう大小2匹のベニシボリはかなり可愛らしく、これはこれで最高の出会いだった。


いやぁ、なかなか卵を見ただけで種類がわかる様には、ならないなぁ…




ベニシボリのように写真を楽しめるいい被写体もいれば、かなり困った被写体もいる。

上の写真は、カニ。

真中の、もじゃもじゃしているところが、カニで、左を向いてるの。


コワタクズガニという海藻やら色々と体にくっつけてカムフラージュするカニなのだけど、足の先から頭から、ぜーんぶに海藻をくっつけて見事に擬態するもんで、カニとして写真にすることがかなり難しい。

擬態に自身があるのか、ほとんど動かないので撮る事自体は簡単なのだけどね。

見つけようと思っても簡単に見つかる生物じゃないので、発見するとなんだか嬉しくなる。

僕としては「どうです、すっごい擬態のカニでしょ!」って自信満々でお見せするんだけど、あまりにも擬態が完璧すぎて皆さん生物だと思ってくれない。というガイドとゲストの温度差のある生物だ。




*ウスユキミノとカエルアンコウはYASSさん撮影。ありがとう。