2011年9月7日水曜日

【9月6日:赤沢】 看板のない店



9月6日
赤沢
晴れ
気温26.6℃
北東の風2m
水温24~25℃
透視度7~13m





北向きの富戸はかなり穏やかになったのだけど、南向きの赤沢は少しウネリが残ってた。

この台風で赤沢の海の中がどうなったか、すごく気になっていたのだけど、「やっぱり」という事が起こってた。砂が全体的に掘れて砂が無くなるという現象だ。

赤沢の海底はサラサラで泥の混ざらない細かい砂。というのが特徴なんだけど、大波が押し寄せるとその砂がどこかへ消えてしまう。
水深5mほどまでの浅瀬では、20cmから30cmほどの厚さで砂が無くなる。

写真の白い岩は、普段は砂の中に埋まっていて見えないはずの石。普段は砂地が広がっているところなのに石だらけになっている。

いったい砂は何所へいってしまうのだろう。と思うのだけど、10日ほどすると、どこからかともなく砂が流れて来てくるのか、もとの風景に戻る。

いなくなった生物も、何事もなかったかのように元に戻る。
同じ種類の新人が入ってきているのか、それともどこかへ避難していたのが戻ってくるのかな…?







いなくなる生物ばかりじゃない。
荒れた海を乗り越えて、同じ風景も続いている。

最近お気に入りだった、サラサエビがフグのキタマクラを掃除するという岩の隙間。
相変わらず行列のできる人気クリーニング店だった。

ほんと小さな岩の隙間なんだけど、覗く度にキタマクラが器用に入って行くの。
小さなひれを小刻みに動かして、それでいて体は固定するようにして、エビのいる隙間に入っていく。

尾鰭をキュっと丸めるようにしたままで、そーっとバックで隙間に入る様子は、「お願いしまーす」っという声が聞こえそうな感じなんだけど、しばらくホバリングしてるとエビが乗っかって掃除を始める。

小さなフグに4匹のエビが乗ってた事もあったな。
なんか見てると楽しい所なんだよね。健在で良かった。









海の中は掃除する人とされる人の関係で溢れてる。

何所かに看板がある訳もなく、口コミって訳でもなかろうに。掃除されたい魚はその場所を知っていて訪れ、掃除する側は大概の場合、店で待ってる。
なんでそんな事が成り立つのか、まったく不思議なことだ。


もしその秘密が判明したら、人類の広告業界は破滅してしまうかもしれない(笑)

昨日の富戸での映像は、ミノカサゴがホンソメワケベラに掃除してもらっているシーンなのだけど、鰓全開で中まで新入させてた。

鰓は呼吸する為の一番大事な器官だけど、まったくもって全開おっぴろげだ。
「もしかしたら鰓を喰いちぎられるかもしれない」なんて疑わないのか?







こっちは今日出会ったアオウミガメ。 赤沢の0番の浅瀬、水深8mほどだ。

「あーカメだー」と思ってちょっとゆっくり並走してみたんだけど、このカメはすぐに逃げることなく一定の距離で並走した。

下から撮りたくて、間合いを見ながら速度を落としたりして回り込もうとしてたんだけど、そのうち一匹のイシダイが現れてカメを突き始めたんだ。

カメ的にはあんまり気に入ってる様子じゃなかったけどね。
そりゃそうだ、イシダイはダイバーも突いたりするんだけど、結構チクッと痛い感じだもん。
クリーニング店としては、けしてソフト路線じゃぁない。

それにしてもこのイシダイ。
こっちにカメよりも大きなダイバーがいるのに、一直線にカメに向かって行ったところがなんとも、可愛くない…
と思ってしまった。





これは…趣味だね

ショウジンガニの足が切れてたので、断面を撮ったの。
突然のアクシデントで脚がブッ千切れたんじゃなく、ちゃんと切れてもいいような構造になってるんだ。
断面は薄い膜があって、体液が流失しないようになってる。あえてそこで切ってるんだね。 トカゲのしっぽみたいなもんだ。

で、脱皮すると少しずつ新しい足が再生してくるんだけど、このショウジンガニは付着物がいっぱいついていたので、もう脱皮の頃なんじゃないかな―って思って、もしかしたら断面越しに新し脚っぽいのが見えたりするのかなぁー…。なんて思って撮ったんだけど。

よくわかんないね。

ヒラツメガニだと断面の膜が風船みたいに袋状になって、「あぁ、ここに新しい脚が入ってたんだろうなぁ」、って思える“抜け殻”はあるんだけど、脱皮前の本物でそんな状態のはまだ見たことない。

というのを水中で説明するのはとっても難しいので今の所趣味のカテゴリー…



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