2026年1月17日土曜日

『嘘をつく幼魚・ミナミハタタテダイ|水中映像(伊豆)』

ミナミハタタテダイ水中映像
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さすがに、この魚を見た時は、はっ!と思った。
小さいながらも三角形の体つきで尖った黄色い口、そして鮮やかなナナメ縞模様は、伊豆半島の海藻の茂る海底では不釣り合いに目立ってた。「おお、これは普通見かけない奴だぞ」と、即座に直感するフォルムだ。

人間のダイバーには、目立つ縞模様は、動物の世界では分断色と呼ばれ、体の輪郭を不鮮明にする効果があるという。魚の眼は人間の様なフルカラーでは無いからだろうなと思って調べてみると、どうもそう単純なものではないらしい。
チョウチョウウオ科の場合、視覚は白黒ではないらしい。黄色や白のコントラストが強く見えて、赤はほとんど見えてないのだとか。確かに、チョウチョウウオ科は赤系よりも黄色が多いのはそのせいか。仲間同士を確認するための配色ではあるのかな。

このあたりでNo1の肉食魚と言えばヒラメだろうと思ってヒラメを調べると、青や緑に特化した視覚であるらしい。薄暗い海底は赤という色が黒ずんで赤ではなくなるので、赤を見るための能力を削って、その分を青と緑に注いでいるということだ。そして、動いているものにとにかく反応するというハンターらしい。
試しに、簡単ではあるけどミナミハタタテダイの画像を青緑にしてみると…
 

 
確かに、魚だか何だかよくわからない。縞模様は輪郭を繋がないような効果があるようだ。しかも、尻ビレの眼状紋はしっかり見えていて、まるで頭のように見えるので、万が一喰いつかれてもお尻のヒレの欠損で済むかもしれない。これでヒラヒラと舞い踊らなければ、ハンターヒラメも反応しないだろう。
もしかして、上昇することなく海底スレスレを泳いでいたのは、防衛の為なのかもしれない。

と、今になれば、もっとじっくり観察すればよかったと思うのだけど、別の用事をかかえて潜水していたもので、これくらいのカットしかない。しかも、2019年のこの一度きりで、その前も後も出会っていない。
本当に海の中は一期一会だと感じさせる魚でもある。

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