2015年4月17日金曜日

溶岩のトンネル

やっと初夏の様な日差しになったので、今日は城ヶ崎海岸の自然研究路を歩いてみた。
城ヶ崎海岸は、富戸の港から八幡港まで、ずっと海岸沿いを歩いて散策出来るようになってる。
富戸から伊豆海洋公園までは、ピクニカルコース。となっていて、階段がちゃんとしてたり、チップを敷き詰めた歩きやすい道だったり、名前の通り気軽に楽しめるピクニカルなコースだ。
あの有名な門脇灯台のつり橋も、ピクニカルコースにある。




伊豆海洋公園から八幡野の港までは、自然研究路。という。
こちらは、登山道的な道はゴツゴツしてるし、階段は階段らしきもの。だったりする。その分、木々は近く感じられるし、意外な出会いがあるような気分にさせてくれる。
自然研究路。という名前はピッタリだ。
森のトンネルを歩いたり、突然開けた視界に海が広がったりするのは、とても気持ちがいい。



どちらのコースも、今から4000年ほど前に、大室山が噴火したときに流れ出た溶岩流の先端を歩く。
4000年前というと縄文時代だ。太古の昔のように思うかもしれないけど、あのクフ王のピラミッドは、紀元前2500年頃に建てられたというから、すでに建築して500年たった時代。
人間の歴史なんて、地球の歴史からしてみれば一瞬なわけで、大室山の噴火なんてついさっき、くらいの出来事だろう。
城ヶ崎の海岸にたくさん突き出ている根岩は、土も覆われず、木々もないので、そんな「ついさっき流れました」感のある岩肌が露出する。



大室山周辺から流れ出た溶岩は、3億8000万トンだったそうだ。
いったいどれくらいの時間で3億8000万トンが地面の中から流れ出してきたのかはわからないけど、当時は浅い海だったとされる富戸から八幡野までを埋め尽くし、4キロほど先のここまで到達したのだろう。
4000年前の海は、今と同じ様な水面の高さだったので、この岩の先端で、真っ赤な溶岩がジューっと海に浸かっていたにちがいない。

大室山の溶岩が埋め尽くした面積は、22、27平方キロだそうで、お約束で何かに例えてみると、東京の品川区が近い面積だ。
江東区の埋め立ての面積と比べたら。と思ったんだけど、28平方キロもあって勝てなかった・・・



城ヶ崎海岸には、たくさんの突き出た「根」があるけど、岩肌の表情は根によってかなり違う。
ここは、海洋公園から20分ほど歩いたところの根。ネットリ感があって、なんかこう、「あぁ溶岩が流れたんだなぁ」と思わせてくれる。
もちろんネットリなんかしてない。想像以上にカッチコッチの硬い岩だ。とてもここで昼寝なんかできない・・・

試しに画像を真っ赤にしてみたら、火星の表面みたいじゃない?
火星映画のロケにはお勧めです。



ふと見ると、ゴツゴツ岩場から木が生え始めてる境目辺りの地面に穴があいている。
結構深いよ。
崩れそうもない岩肌と、思いのほか段々になっているところがプチ冒険心をかき立てるよね。
やっぱりね、降りてみちゃうね。


降りてみると、そこは向こうの海と繋がったトンネルになっているのだ。
溶岩の下の秘密の溶岩トンネルだ。
ヒンヤリとした空気で、小さいながらも迫力がある。

もしかしてこれ見て探して行ってみる人がいるかもしれないけど、まぁくれぐれもお気を付けください。
「降りるのは簡単だけど、登るのは10倍難しい!」
最後のところで、ピョン。と飛び降りちゃうのは簡単なんだけど、意外と意外に登るのがムズいっすよ、ホントに。ここの岩はゴツゴツしてなくてまん丸なので、手をかけるところが無いんだね。
反対側は見事な荒波で脱出不可能だし。帰る時に、「あれ?」ってなるから、要注意。