まぁんなもなぁ、しょうがねえさ。
天気もいいし、タケノコでも掘りに行こう!!
汗ばむくらいの暑い日だったのだけど、竹やぶの中は気持ちのいい風が流れていて、なんと爽快なことか。
「そうだ、京都行こう」というフレーズがあるけど、わざわざ京都まで行かなくても、富戸で十分気持ちいい。
あ、きょうと。と、ふと。って似てるね。
タケノコは足先で感じて。なんて言うけど、すっかり頭を出している大きなタケノコでも十分美味しく食べられる。というより、大きい方が少し歯ごたえがあってタケノコらしさがあって好きだ。僕は歯ごたえのある食べ物を好む。
ということで、ニョキニョキと一目瞭然で生えているタケノコをガシガシと採取する。
去年はわが家の貧弱な鍬がタケノコに負けて、ただの棒になってしまったので今年の為にかなりゴッツい鍬を仕入れてあるのだ。
上手な取り方ってのがあるんだろうけど、とりあえずパワーでカバーする。
その方が運動にもなるしね。
タケノコハンターは満面の笑みだ。
ほっとくと延々と掘り続ける優秀なタケノコハンターだが、去年はあまりにも食べ続けすぎてカブれてしまうというタケノコの逆襲を受けてしまったので、今年はかなり慎重なペースで摂取するだろう。
GW後半の海は穏やかで最高だ。
前半に比べると少し透視度が落ちてきたけど、抜群の春濁り。という程ではない。
妙に白い物が目に入る。
なんだこの貝、随分と目立つなぁ。と思ったら、なんかくっ付いてる。
おおこれはイソギンチャクだ。
…てことはもしかして、この貝の主はヤドカリか?
動きが無いのでそっと持ち上げるとやはりヤドカリだった。
ヤドカリとイソギンチャクの関係は共生関係として有名だ。
毒を持っているイソギンチャクを大型の魚類などが食べる事は無いので、イソギンチャクを背負う事でヤドカリは防御バリアーを手に入れる事ができるようなもんだ。イシイダイやタコに襲われるリスクは減るだろう。
イソギンチャクは簡単に移動の出来る動物では無いけど、ヤドカリの背中に乗ることで移動が出来るようになる。棲んでいる環境が悪くなったとしてもヤドカリなら簡単に移住ができる。ただ死を待つのみ、ということはなくなった。
ヤドカリとイソギンチャクの関係は、両者に徳のある「相利共生」という奴だ。
で、まず疑問に思うのが、ヤドカリは生まれた時から貝殻を背負っているという訳ではないと言う事。貝を背負っているヤドカリしか見ないけど、ヤドカリは貝じゃなくて甲殻類だからね。“宿・借り”ってくらいだから、生まれた後になんらかの巻貝をゲットして家にしてる。
ゲットした家にイソギンチャクが付いているわけでもない。入居前から警備員付きの物件なんて、そうそう転がっているはずがない。
そう、このヤドカリは、まず最初に巻貝の家をゲットした後に、イソギンチャクを見つけて屋根に乗って頂いたということだ。
出会った時はガッチリと岩に付いているであろうイソギンチャクにどうやって交渉するのかはよく分からないけど、ヤドカリがハサミでチョンチョンと突っつくと、あれ不思議。イソギンチャクは素直に岩から離れ、ハサミで摘ままれるがままに貝殻へと誘われ、再び吸盤で貝殻にくっ付く。
ヤドカリは成長すると大きな家に引越しをしてゆくのだけど、そのたびに新しいイソギンチャクを捜すのではなく、脱ぎ捨てた古い家から新しい家の屋根へと、またチョンチョンと突っついてイソギンチャクにも引越しをしてもらうという。
不思議だ。
甲殻類と刺胞動物という完全異種間で、いったい何時からそんな技が使える様になったというんだ。
もちろん、人間が真似をして突っついても、イソギンチャクは離れたりしない。
なんらかの臭いや、合図があるのだろう。
不思議すぎる。
このヤドカリには、このイソギンチャク。と種類の組み合わせまであって、「イソギンチャクならなんでもいいんだよ」とか、「ヤドカリさんなら誰でもくっつくわ!」という乱れた世界ではない。清らかだ。
今日出会ったのは「ヨコスジヤドカリ」と「ヤドカリイソギンチャク」の組み合わせ。
よく見かける有名カップリングでは「ソメンヤドカリ」と「ベニヒモイソギンチャク」の組み合わせがある。
「トゲツノヤドカリ」というヤドカリは、左のハサミに、その名も「ヤドカリコテイソギンチャク」を付けているという、こうなるともうオカルト的であり、知れば知るほど身の毛もよだつような自然の不思議だ。
あぁ、どやって突っついてイソギンチャクの引越しをしているのかが見たい。
海で見たい。
生で出会ってみたい。
このヨコスジイソギンチャクとヤドカリイソギンチャクの組み合わせも、ずっと続いてゆくのだろうな。
そんなに移動しないだろ?
また出会うだろ?
今度会ったらどうなってるかな。楽しみにしてるよ。
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