歩いて30歩ほどの目の前の海はちょっとした崖になっている。富戸港のちょうど反対側で南を向いてる、南向きの入り江だ。
朝覗いたらとても穏やかだったので、こりゃどこも穏やかだろうと思ったのだけど、赤沢では小刻みな波長の変な波があった。
まったく。海は行って見ないとわからないね。
赤沢
晴れ
気温28.4度
西南西の風5m
水温18度
透視度3~5m
気温は夏日を超えて絶好調。そして水温は18度。16度台からジャンプアップだ。
天気も最高!気温も上昇!!。「おおっ!やっと夏が見えてきたのか」という最高のコンディション。
でも透視度は3~5mってところだけど、まぁこれで10m以上見えたら誰かに呪われそうだよな。
ワカメはそろそろボロくなってきているけどまだ生えている。
ワカメのメカブの中に「スナビクニン」というオタマジャクシを少し長くしたような魚が棲んでいて、ダイバーにはとても人気だ。
スナビクニンは大きくても2センチくらい、小さいと、まぁ1センチがくるっと丸まって7ミリ程度の丸みたいなもんで、それがまたメカブのシワシワの奥に棲んでるってんだから慣れないと捜すのは大変な魚。
穏やかならば、「よっしゃ捜してみるか!」とサクサクとメカブのシワを片っ端から覗いて行くのだけど、揺れてると時間がかかるし、お客様も波に酔ってしまったりするのであまり捜さない。
今日は見つける気合いなしで捜した2つ目のメカブで見つけてしまった。「気合いが入りすぎると出会えない(または逆)」の法則まっしぐらだ。
鮮やかなピンク色をした1センチほどの可愛いスナビクニンだった。
お客様とフォーメーションを組んで写真を撮を撮ったには撮ったはずなんだけど…
目には焼き付けた。
なーんて訳はない。これは海藻。かわいいでしょ。
会いたい人は言ってね。
言わないと会えないよ。
と、海藻で遊んでたら、突然肩をたたく人がいる。
海の中で普通は肩を叩かれない。
「えっ、誰だよ!」って振り返ったら、ガイド仲間が「来いっ!」って気合い十分な目をして合図してた。
ほほう、これは何かよっぽど面白い生物が出たのかな?と思ってついて行くと、マトウダイの子供が漂ってた。
言葉は話せない水中だけど、通じるのだな(笑)
2か月前の個体は3センチくらいしかなかったけど、こいつは8センチほど。このサイズだとヒレが立派に見えるね。ライトアップすると、金色に見えるんだ。綺麗だよ。
実はマトウダイの口はものすごくデカイ。
普通は顎の付け根を軸にしてパクパクと開閉する口を考えそうだけど、魚の世界は人間の普通が普通に通じない。
マトウダイが口を全開にするとこんな感じ。
普段の口は、実は綺麗に折りたたまれているのだ。いざ、餌を食らおうとする瞬間、この筒の様な口が目にも止まらぬ速さで突き出る。
「どうせ射程距離じゃないだろう」と思って余裕で泳いでた魚は、突然“スッボーン”と伸びてきた口に喰われる、というより吸い込まれてしまうのだろう。まさに必殺の飛び道具だ。
突き出た長い口を見ると「馬の頭」と呼ばれてもおかしくはない。
体の的模様は生物学的には的じゃぁないとは思うけど、ホントのところは。「おい、あいつ、体に的の模様入れてるぜ、狙ってくださいって言ってるようなもんだなぁ」。などとバカを装っておいて、実は必殺の武器を持っているという上等なカムフラージュだ。と、思えなくもない。
海の生物に人間の普通は通じない。
今度は口を開けているところが見てみたいです!
返信削除今回も楽しい海をありがとうございました。
海の生物に人間の普通は通じない。
返信削除なるほど。海は意外性の宝庫。だから面白いですね。
敦賀の海でゴンズイをみたときのことを思い出しました。
毒があると知らず、持って帰り、でもだいじょうぶでした。
時野慶子