2011年4月18日月曜日

【4/17:川奈】 …だんご


4月17日
晴れ
気温15.5度
北北東の風3m
水温15度
透視度3~10m




体の濡れない「ドライスーツ」というのを着るのには、首を通すのに苦労する。
首の太い人は楽なんだよね、頭との差がないし、十分伸びるから。そう僕なんかは苦労した事は一回も無いさ。でも細い人で、慣れないうちは大変、らしい。

で、コンビニ袋を被ってスルっと通すという定番の裏技があるんだけど、先週のお客様が「ともだちみたいだ」と言ったので、なるほどと思って書いてみた。
ものすごく盛り上がるんだけど、たぶん本人には皆のリアクションが良く見えてないだろうな(笑)





朝一は北寄りの風で潜水注意がかかってた川奈だったけど、伊豆高原最強と言われる?のんびりペースのアクアティック・プロが付くころにはすっかり凪だった。

風も無く、気温は昨日より10度も低いけど、暑いくらいのいい天気だ。最高。

川奈も春濁りで透視度はいまいちだと聞いていたんだけど、潜って見たらまずますのブルー。
10mくらい見えてたかな。悪いと思って良い方向にハズレると嬉しい気分になる。最高だ。


遠浅の磯に一面に生えていたのはフクロノリ。
いわゆる「海藻」という形をしていないので、普通の人はこれを見たら何かの残骸かと思うかもしれない。でもこれが立派な形態だ。

名前の通り薄い膜で袋状に育って、シワシワのドームを作る。どこが根元か先端かなんていうところは一見してわからない見事なシワシワドームだ。
やや硬い薄膜は触ると簡単に壊れてしまい、中身はない。まさに袋ノリだ。

春から初夏にかけて多い海藻で、こういう風景も「春だなぁ」と思うところ。壊れやすい海藻なので、バリバリ外洋というよりは内湾に育ちやすいだろうから、川奈らしい風景ともいえる。
赤沢にはこんなに生えてない。









遠浅のフクロノリの林を進み、深くなる斜面まで来ると雲行きが怪しくなってきた。



なんだか茶色い。




斜面と言ったってほんの5mほどなんだけど、下がりきったら茶色い海だった…
昨日の赤沢もそうだったけど、表層は綺麗で暖かく、下層は冷たくて濁っているようだ。透視度では6、7m。水温は2度くらいの差がありそう。

現れた小さなイカはヒメイカだ。
体長は2センチないくらい、世界で一番小さいイカと言われてる。
どうも背筋を伸ばした様な、妙なかっこをしているんだけど、背中に粘膜を出す所があって、海藻の裏側なんかにくっ付く事ができるんだ。
このヒメイカも海藻にくっ付いていたんだけど、僕らが来たんで少し泳いだんだろう。




これもやっぱり冬の最低水温から上がり始めるような季節に多く見られる生物で、春らしい奴だ。






真っ黒のイロカエルアンコウは1センチもないくらいだ。
小さい。
小さすぎる。





今年の川奈の春はこいつ、ダンゴウオの大フィーバーだ。
ダイバーには絶大な人気を誇るスーパーアイドル。その姿、目、口元はピクミンかハクション大魔王の壺かというところで、可愛くないようで可愛いんだな。やっぱりこの方も春の季節限定。

でもね、小さいの。
この個体で5ミリくらい。生で目もと口元の可愛らしさを見ようと思ったら、虫メガネを駆使しても相当頑張らないといけない。さらにその半分くらいのダンゴウオは天使の輪という模様が入っていて大人気というんだから凄い。というか、見つける人が凄いね。

もちろん、久しぶりの川奈で僕が自力でダンゴウオを見つけるというのは、そりゃぁ大変な事。なーんで川奈が得意なガイドに教えてもらったの。カメちゃんありがとう。お返しは赤沢でね。




でもね、自力でも見つけたので結構いっぱいいるんだと思うな。
去年は全然出現しなかったし、今年も川奈以外ではチラホラってくらいだから、この春は「団子の川奈」だね。







なんだか立て続けに季節限定の生物を堪能したけど、意外とスルーしてしまうのがナマコだ。




水温が下がるとあたりそこらじゅう出現するのがマナマコ。



冬が旬の珍味、ナマコ酢やコノワタは、マナマコ料理だから、まさに冬の代名詞ともいえる生物なんだなけど、リアルな姿に好き嫌いもあるので、ガイドとしてどう料理するかっていうのは、なかなかつかみづらいところがある。

今日見たこいつはマナマコかと思いきや、「ん?ちょっと長いな」、「いやいや、だいぶ長いぞ…」
マナマコは触るとすぐに丸くなたっり硬くなったりするんだけど、こいつの場合は変化なし。最初からこのままで硬いく、まるで棒のようだ。




アカオニナマコも頑固で主張の強いやつだけど、ここまで自己主張が強いってのはたいしたもんだ。
あ、こいつはフジナマコ。たぶん。
色々分類の難しいカテゴリーなので、調べると果てしなくなってしまうのだけどね…

ナマコが季節の生物紹介からはずれてしまうのは、なんともかわいそう。是非とも面白おかしくナマコを紹介したいなと思った川奈の春の海でした.
































































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