2012年3月26日月曜日

ETERNAL LOVE

ダイビングには、潜った記録を書き込むログブックというものがある。
ダイバーそれぞれに、今日は何所に潜って、どんな風だったか、というような記録や感想を書くノートだ。
 ガイドもサインをしたり、コメントを書き込んであげるのだけど、僕は文字でコメントをする代わりに、その日に見た生物なんかの絵を、水彩でさらっと描くようにしてる。

そんなログブックのお絵かきを続けていたら、結婚式のウエルカムボードを描いてほしいと頼まれた。
どこかに飾るわけでもないログブックとは訳が違う。結婚式という人生の大舞台に飾られるのがウエルカムボード。親類や同僚、友人達など、大勢の人が見るものだ。
僕なんかが描いていいのかなぁ… と思ったんだけど、新郎も新婦もダイビングの最初の講習からずっと僕と一緒に潜ってくれた二人だし、描かせてもらえるなら、お祝いに描きたいな、という気持ちで引き受けた。
それが3年前。

その後にも、2組のダイバーのカップルにウエルカムボードを描き、今回4作目のウエルカムボードのリクエストを頂いた。
最初のダイビング講習の時は十代だった彼女、もう10年経つのかぁ。昨年は彼を連れて来てダイバーに仕立て上げ、二人でダイビングを楽しむダイバーカップルになった。



水彩の、さらーっと描くのが苦手だなぁ、とは前々から思っていたのだけど、調べてみたら重ね塗りできる水彩もあるらしい。
今回はアクリルガッシュと言う絵の具を使ってみた。紙もちゃんと水張りして、見た目は本格的である。

まぁこのアクリルガッシュ。描きやすい!
中学に入ってから17歳まで、毎日のように油絵を描いていたので、こういう重ね塗りできる絵の具の方が僕は断然に描きやすい。いやぁ、なんでもっと早く気付かなかったんだろう。
もの凄く描いていて楽しかった。
てか調べ無さすぎか。いやぁ、アクリルってデザインの人が使うもんだと思ってたもんで…



今回は海猿のポスター風にというリクエストで、新郎新婦とアイデアを出し合って決めたデザインだ。
本物はこれ http://image.blog.livedoor.jp/aodon777/imgs/d/d/dde51aaa.jpg

結婚式に船が沈むのはさすがにマズイので、ド派手にクジラのジャンプに変更。めでたくクジラもお祝いなのである。
ヘリはカモメに。左の船を富戸のダイバー専用温泉の温泉丸に。消防車が彼の愛車のセレナで、左の赤いごちゃごちゃっとしたライフジャケットの人達をサクラダイ。右の黄色と黒の海猿達をゴンズイの群れに。
登場人物は、もちろん全員本人だ。意外とちゃんと海猿的でしょ。

さすがにこういう絵はさらっと描けない。
製作期間は約7日。本当は4日くらいで描きあがるかなと思ったのだけど、文字が多かったのと、花嫁の顔に集中したため。どうしても、「誰が見ても本人だとわかる」ようにしたかった。
だがしかし、なかなか100%似ている顔にならないので、「花嫁のメイクアップをするとこういう顔になるんだろう」という説を採択して完成にした。


どうもその説は正解だったようで、いつもの可愛らしいチーちゃんは、綺麗なチーちゃんになっていた。
大きな少年みたいな司は、頼もしい夫だった。





3 件のコメント:

  1. いやー!すばらしいなあ!たいしたもんだよ。      敏郎君の絵画塾通いの事を初めて聞いた時はびっくり。
    そして将来の仕事(海洋の専門校に行ってた・・・未来不明)にその絵習いが果たして、どんな形で結びつくのだろう?・・・なあんて、興味深かったもんだよ!・・昔の話
    だねえ。

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  2. 20年以上前にやめた絵なのに、ここにきて意外なほど反響を頂いて驚いてます。
    これは少し、描こうかなという気もちになります。あの時は、なんで描いてるのかが分からなかったのかもしれません。今は、少し分かるような気もしますが、どうなんでしょう。描いてみないとわかりませんね。
    自分でも興味深い所です。これは未来の話ですね。
    うまく描けるでしょうかね…

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  3. パクリかと思ったらリクエストがあったんですね。(笑)

    私も書いてほしいなぁ~って思うけど、いつの事やら…。
    おばちゃんになっても書いてくれますか?

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