2012年4月2日月曜日

RAINBOW


2012年3月31日
富戸ヨコバマ
雨のち晴れ
気温16.5度
西南西の風8m
水温14度
透視度10m±


まさに春の嵐。
土曜日は南西の風が吹き荒れ、おまけに雨が強かった。
まぁ普通の考えからして、「こんな日にダイビングするんかいな…」と思うのはとっても解る。
が、北向きの富戸の海は見事にベタナギなのだ。「こんなに穏やかな海はそうめったにないぞ」というくらいの穏やかさ。
それに、海の中は雨は降らないしね。ダイバーは潜るのだ。




ホウボウの幼魚が現れるシーズンだな、と思いつつ潜ると、砂地ににじり歩く黒い影がひとつ。
シーズンだと言っても、「見ればいる」というほどいるものじゃぁない。でも、今日はあまりにあっさり出会ったので、もしかしたら沢山いるのかもしれないな。あちらこちらにホウボウの幼魚、ということは、ままあることだ。

しかし、カワイイ。
まるでゼンマイ仕掛けのおもちゃみたいに砂地を歩く様子は、思わず笑顔になる。

でも小さい。。。
もちろん、小さいほど目がパッチリで可愛らしく、人気絶大である。



大人のホウボウも徘徊中。
何とも言い難い、青と緑のグラデーションの胸鰭は、さすが大人。と思わせる。
本人は、迫ってきた敵を驚かせる目的で見事な胸鰭をサッと広げているのだけど、ダイバーは胸鰭が広がれば広がるほど近づいてくるという、ホウボウにとってはなんとも不思議な生物だ。
ホウボウはきっと、「どうしてこの生物には胸鰭鮮烈攻撃が効かないのだろう?」と思っているに違いない。

ダイバーが近づいたら胸鰭鮮烈攻撃。ダイバーが近づいたら胸鰭鮮烈攻撃。を繰り返すのだけど、いつまでも繰り返し続けるほどホウボウも馬鹿ではない。
「こいつには鮮烈攻撃は効かないのだな」と思うと、大きな胸鰭をたたんで、物凄い勢いで泳いで逃げる。
鮮烈攻撃中のゆっくりした泳ぎからは想像もできないほどのスピードで遠のいてゆく。

鮮烈攻撃をどのタイミングであきらめてダッシュするか。というのは、ホウボウの個性によってかなり違う。
中には、かなり距離があるうちに鮮烈攻撃を一瞬繰り出し、即座にあきらめてダッシュする、「逃げるが勝ち」タイプもいれば、どんなに近づいても胸鰭を広げっぱなしでゆっくりと移動する「自信満々」タイプもいる。

まぁ、実際に個性によって逃げのタイミングが違うのかどうかを立証している訳ではないので、何とも言えないのだけど、魚にも個性があるんだ。と思って近寄ると面白い魚だ。
この日のホウボウは、かなりの自信満々タイプだった。



これは「アカエソ」かなぁ、半分砂の中に身を沈めてジッとしてる。うまそうな獲物が上を通ると、電光石火で食いつくつもりで隠れてるんだ。

見事に砂にまぎれているのだけど、そっとライトを当てると綺麗な模様が浮かび上がる。
光線の少ない海の中ではカムフラージュかもしれない体の模様は、明りに照らされると色が浮かび上がり、バレてしまうんだ。

このアカエソはライトを当ててもジッと動かずにいて、さて何所まで動かないのかと、にじり寄ってみてもまったく動く気配がない。
ついに目の前10センチにライトがあってもジッとうごかず…
これはとばかりに、色んな角度からライトを当てさせて頂いた。

魚の目というのは本当に綺麗だ。
このアカエソの目は、虹色に輝いて見えた。
ライトの角度によって、様々に変わる虹色の目をしばらく楽しませてもらったのだけど、この魚は最後の最後まで動く事はなかった。



ダイビングが終わってしばらくすると、みるみるうちに空が明るくなってきた。
「なんだよ、潜り終わった後に何でこんなに晴れるんだよー」と思わず皆で言ったのだけど、海の方の空を見たら虹がかかっているのが見えた。

雨上がりの青空に、まるで絵に描いた様な見事な虹。
それも、よく見ると二重になってる。

「虹の根元には財宝がある」って、子供の頃から信じている話を思い出す。
これは余程な財宝だろうと思って、急いで海岸へ行ってみたけど、もちろん虹の根元には行かれない。
また財宝は取り逃がしてしまった…


今日は海の中でも陸でもレインボーだった。
雨でもいいことはあるもんさ。
自然をそのまま、楽しもう。


2 件のコメント:

  1. 虹素敵ですね。
    そして、大人のホウボウも素敵です。
    まさに、rainbow。
    癒されました。

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  2. 嵐。サメさん。ホウボウ親子。アカエソさん。チャーリー。虹。本当にステキな時間 ありがとうございました。

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