2026年5月18日月曜日

『14年の沈黙・ヒメイカの交接|水中映像(伊豆)』



ヒメイカの交接

↑クリックでyoutube版視聴

【ヒメイカ交接の詳細情報・サンプル動画はこちら】

https://www.azarasi.jp/details/himeika-kousetu.html

 

ヒメイカが向かい合って交接し、それもダイバーの手のひらにくっついたまま行われる――。


そんな奇跡のような場面を撮影したのは、もう14年も前、2012年のことだ。
まとめずに、放置された、いわゆる“塩漬け映像”である。

実は、この時にヒメイカがとまった手は、体験ダイビングの参加者の手だ。
水深4〜5mほどの砂地で遊んでいると、ふわ〜っと漂ってきた小さなヒメイカ――恐らく、交接したまま漂っていたのだろう。
それが、体験ダイバー君が思わず差し出した手にぴたりと付着し、そのまま交接を続けたのである。

突然の出来事に、かなり不意を突かれたことは間違いない。
映像には、「これはすごいなー……」というような、思わず漏れた私の声も記録されている。

一方、体験ダイバー君のほうは、何が起きているのか理解できていなかったらしい。
「何か生き物が手に付いた」ということまではわかったものの、それが何なのかはわからず。
ただ、私の様子が尋常ではなかったため、親指固めをされたままフリーズしていたらしい(笑)。

後に本人は、
「何かわからなかったけど、“凄いらしい”オーラが大西さんから出ていた」と、笑いながら話していた。

彼はかなり落ち着いた優秀な体験ダイバーだったので、もっと追跡して撮影を続けることもできたかもしれなかったけれど、その時はしなかった。
「また、そのうち撮れるだろう」と思っていたからだ。

しかし、それから14年。
まだ一度も、ヒメイカの交接シーンに再会できていない。

この映像が長く“塩漬け映像”になっていたのには、もう一つ理由がある。
近年、ヒメイカ類に新種の ツノヒメイカ が加わったことで、それまで「ヒメイカ」としてまとめていた映像を見返す必要が出てきたのだ。

確認してみると、なんと――「ヒメイカ」だと思っていた映像は、ほとんどがツノヒメイカっぽい、という衝撃が走る。
つまり、“本当のヒメイカ”の映像は、この交接シーンだけになってしまった。

ヒメイカだと思っていた生物が、全部ツノヒメイカになったことで、残されたヒメイカ映像を14年目にしてまとめる、ということになった。
……というより、そうなってしまった。

そんなことをしていると、ふと目の前に、またヒメイカの交接が現れそうな気がする。
そんな期待を、少なからず抱いている。

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