2011年6月4日土曜日

【6/2:赤沢】 2つの頭を持つ魚?





前回見た、ふたつの尻尾を持つ魚の謎を求めて海へ出なければいけない。

尻尾がふたつあるなんて、生物学的には大変なことだ!

と、意気揚々と潜水したら、なんと!お尻から小さな頭が生えているではないかっ!


これは凄い、ふたつの尻尾どころか、ふたつの頭を持つ魚だ。

ノーベル生物発見賞でも貰えるかもしれない。


さかな君さんもビックリだ!




6月2日

赤沢

雨時々曇り

気温14.8度

北北東の風2m

水温19~20度

透視度8~13m



「卵の大きさ」というのは非常に謎につつまれてる。



1ミリにも満たない様な小さな卵から誕生した子供は、極々小さくて上手に泳げない。

そんな小さな魚は、大概の場合簡単に誰かに食べられてしまい、生き残って大人になれるのは、ほんの何匹かだ。1億個の卵を放出したとしても、生き残るのは1匹だけかもしれない。

小さくて未熟な生物にとって、広い広い海の中は、あまりにも敵が多すぎる。



孵化した状態で十分に泳げて、敵から逃げる事ができれば、生き残る確率は確実に上がる。


それには大きな卵でなければいけないので、どうしても沢山産む事ができなくなる上に、孵化までの時間もかかってしまうだろうから喰われるリスクも高くなる。スーパーコンピューターを持っていない生物達にとって、大変難しい選択だ。

コンピューターを持ってても選択は実行に移せないんだけどね…



選択の難しさは生物の卵を見るとなんとなくわかる。

体長3mになろうかというマンボウの卵の一粒はタラコよりも小さく、何億という数を産む。


でかい体だから、数センチの仔魚を数千くらいは産めそうだけどそうはしない。小さくても喰われても、とにかく遠くへ拡散しようという戦略なのだろうか、マンボウは「数撃つ」系のカリスマだ。



オキタナゴの子孫の残し方はその逆。


体長10センチ少ししかない魚が、大きな卵を少数産むという生き残り理論を超越し、お腹の中で卵孵化させて完全に大人の状態になった上で産み落とそうというのだ。


仔魚の大きさは3センチほど、その数、わずかに数匹~数十匹。



産まれた仔は、世に出た瞬間に見事に泳ぎ出し、敵から逃げ、餌を探せる。

ミリにも満たない魚と比べれば、生存の確率は格段に上がるだろう。










卵胎生の魚はオキタナゴ以外にもいて、身近なのは、ドチサメやヒラタエイなど軟骨魚類と言われるサメやエイの種類には多い。多いと言っても、何千種といる魚の中では少数派だ。


魚の出産シーンを、人間が実際に目で見ようとするのは、相当難しい事なんだ。




オキタナゴの出産は水深10mほど、ダイビングのライセンスがある人なら、まずその場所までは行く事ができる。


もちろんタイミングの問題はあるけどね…




産まれる瞬間に出会うと、なんか「海は広いなぁ…」って思えるかも、「元気をもらった!」っていう人もいるしね。是非こういうのは本物を見てほしいな。






ちなみに、この出産の映像は全てのカットを1回のダイビング、ちょっと粘って70分以内での撮影。


来週末まで産んでるかどうかは…わからない。











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